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「刑場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刑場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
なった。 その日彼は町中《まちじゅう》を引き廻された上、さんと・もんたにの下の刑場で、無残にも磔《はりつけ》に懸けられた。 磔柱《はりつけばしら》は周囲の竹....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
である。) じょあん孫七《まごしち》を始め三人の宗徒《しゅうと》は、村はずれの刑場《けいじょう》へ引かれる途中も、恐れる気色《けしき》は見えなかった。刑場はち....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
っき山谷町の茶屋で披露しようと思いながら、ついその時機を得なかった。 骨ヶ原の刑場に近づくと、街道に面した梟木《きょうぼく》の上に、刑死して間もないような老婆....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だけを土の上に晒されていた。かれは勿論幾日かの後に主人のあとを追ったが、その後も刑場あたりでは夜ふけに犬の悲しい啼き声がきこえるとかいう噂が伝えられて、通行の人....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
―幕―― 第三幕 第二幕より数日を経たる十二月の末。香東川原刑場。小石の多い川原に竹矢来が作られている。かなたに水の枯れた川原がつづき、背景....
超人間X号」より 著者:海野十三
並んで所定の席についていた。おりから東の空からのぼりはじめた月が明かるく、この死刑場を照らした。塀《へい》のそとにすだく虫の声も悲しく、凄惨《せいさん》な光景で....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
いたのはあれでしたか」 「ああ、そうです。あの曲は田川の作曲したものですわ。“銃刑場の壁の後の交響楽”」 「カズ子さん、入りましょう。その穴の中へ入るのです」 ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
あろう。槍で囲み、旗を立て、淡く清く装った得意の人を馬に乗せて市を練って、やがて刑場に送って殺した処で、――殺されるものは平凡に疾病で死するより愉快でしょう。―....
火星兵団」より 著者:海野十三
星へお帰りになるのですか」 「何をばかなことを! 火星へ行くのは、ロロとルルを処刑場へ連れて行くようなものだ」 (火星なんぞへ行くものか!) と、蟻田博士は、....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
晃々たる器械のありとも見えず、寂となって隠れた処は、雪に埋もれた関らしく、霜夜の刑場とも思われる。 旅行の袂に携えた、誰かの句集の中にでもありそうなのを、偶然....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
僚には嫌われ、官僚には警戒され、終日|氷倉《こおりぐら》の中に坐っているような、刑場の側《そば》に立っているような憂鬱さを感じたが、実は何をしたわけでもない、た....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ると半田屋九兵衛、気に為ずにはいられなくなった。首をチョン切られた上に、二本松の刑場へ晒されるか。褒美を貰った上に士分にまで取立てられるか。どちらかに傾くかとい....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
氷川田圃に近き今の高等師範の近辺であろう。荘助の額蔵が処刑されようとした庚申塚の刑場も近く、信乃の母が滝の川の岩屋へ日参したという事蹟から考えても高等師範近所と....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
四年の六月――三人の男は橇につながれて、ホルボオンの博士邸の前を通ってチパーンの刑場に引かれていった。この見世物を楽しもうとて、数万の群衆が馳せ集まった。そのど....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
俺の番だという気がして、俺もほんとに怖くなってきた。ここは昔地獄谷といって罪人の刑場だったそうだが、俺はただ仏様のいる慈悲の里とばかり思ってやってきたんだがね、....