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初む
「初む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初むの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
の涙泉であると伝えている。 回顧すれば既に十有余年の前、明治三十二年の秋風吹き
初むる頃、我輩がローマに客となっておった折の事であるが、一日我輩は岡田朝太郎博士....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
なつかしい京外れの木賃宿に着いたのが、ちょうど大文字山の中空に十四日月のほのめき
初むる頃おいであった。明くれば宝暦二年の三月十五日。日本切っての名物。島原の花魁....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
なた、きのう今日掲げたと思わるる青簾のスラリと垂れて、その中より物の音静かに聞え
初むる、なかなかに風情の深きものである。 吾れ人の家の夏は、青簾かけそめて初め....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
んと論じある。なるほど鼠などを必ず首から呑むが、右に言った通り蛙をば後脚から啖い
初むる故一概に言う事もならぬ。インドのボリグマ辺の俗信に、虎は人を殺して後部より....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
なんだから今飛馬譚のついでにこれを論じ置く。 プリニウスいわくケンタウリ騎兵を
初むと。これはギリシアのテッサリアの山林に住んだ蛮民全身毛深く時に里邑を犯し婦女....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
凸起位いに思って描けばいいと思う。 最初はなるべく木炭の最も淡き調子を以て描き
初むる事。うすぼんやりとした大体の塊まりからだんだんと形を強めて行くべき事。 ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
という草に子の日の小松を引き具して帚に作りて、田舎の家に正月初子に蚕飼する屋を帚
初むる事云々。『朗詠』註に子の日の遊びとは正月初子に野に出でて遊ぶなり、子の日を....
「水の女」より 著者:折口信夫
於而、御身|沐浴ぎ坐しき。故、国造の神吉事奏して朝廷に参向ふ時、其水沼|出而用ゐ
初むるなり。 出雲風土記考証の著者後藤さんは、やはり汲出説である。この条は、こ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
親のようなある内心の熱望を感じた、そしてそれが何であるかを自ら知らなかった。愛し
初むる心の大なる不思議な動きこそは、きわめて理解し難いまたやさしいものなのである....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
日蓮は、その死もまた牧歌的な詩韻を帯びたものであった。 弘安五年九月、秋風立ち
初むるころ、日蓮は波木井氏から贈られた栗毛の馬に乗って、九年間住みなれた身延を立....