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初め
「初め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
とは、ほぼ御年輩《ごねんぱい》も同じくらいな若者でございましたが、これを御奉公の
初めにして、その後《のち》も度々|難有《ありがた》い御懇意を受けたのでございます....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《けんそう》だが、――犬相が甚だ平凡だよ。」
もう酔《よい》のまわった牧野は、
初めの不快も忘れたように、刺身《さしみ》なぞを犬に投げてやった。
「あら、あの犬....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
やはり塙団右衛門《ばんだんえもん》にゆかりのあるものでございました。」
家康は
初めて微笑《びしょう》した。人生は彼には東海道の地図のように明かだった。家康は古....
「路上」より 著者:芥川竜之介
人相《にんそう》を具えているな。」と、呟《つぶや》くような声で云った。
俊助は
初めてその中年の紳士が清水昌一《しみずしょういち》と云う男だったのに気がついた。....
「白」より 著者:芥川竜之介
午後四時半ごろ右の狼は十字町《じゅうじまち》に現れ、一匹の黒犬と噛《か》み合いを
初めた。黒犬は悪戦|頗《すこぶ》る努め、ついに敵を噛み伏せるに至った。そこへ警戒....
「少年」より 著者:芥川竜之介
になった父や叔父《おじ》と遠浅《とおあさ》の渚《なぎさ》へ下りた時である。保吉は
初め砂の上へ静かに寄せて来るさざ波を怖れた。が、それは父や叔父と海の中へはいりか....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
一日、徳川幕府では、所謂《いわゆる》八朔《はっさく》の儀式を行う日に、修理は病後
初めての出仕《しゅっし》をした。そうして、その序《ついで》に、当時|西丸《にしま....
「滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
気を得てどうにかこうにか書き上げる事が出来た。 僕の方からはあまり滝田の諸氏に
初めてお目にかかることが出来た。 ◇ 僕は又滝田君に画帖などを....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
て残った。その登志雄が与志雄と校正されたのは、豊島に会ってからの事だったと思う。
初めて会ったのは、第三次の新思潮を出す時に、本郷の豊国の二階で、出版元の啓成社の....
「墓」より 著者:秋田滋
見ているわたくしに、限りない悦びを催させるのでした。わたくしにはまた、どうしても
初めて会ったという気がせず、この女をもう久しい以前から知っている、それまでにどこ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
。 ああ、もしも諸君が生も足悶きがとれなくなってしまったように――。 ああ、
初めのうちに読み返した幾通かの手紙は私には何の興味もないものだった。それにその手....
「初雪」より 著者:秋田滋
その頃のことが何もかも思い出されて来るのだった。その土地へ着いた時のこと、生れて
初めて住むその家で過した第一日のこと、それにつづく孤独な生活のことなどが、それか....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
編に研究の梗概を叙することにした。 大正十二年一月著者識す。 前世紀の
初めにロンドンのマンチエスター・スクエーアで、走り廻ったり、球をころがして遊んだ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
者は皆な、そうした評判のために身をほろぼしてしまったのです。彼らは激情にかられて
初めはそう云うことをするのでしたが、やがては、自分たちの家の評判を恥かしめないこ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
分の腹へ巻きつけようとしましたので、それを見た多助は、大変に怒って、伊作と喧嘩を
初めました。そこで伊作は仕方がないので、小判を十枚だけ多助に渡しました。そして太....