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初一念
「初一念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初一念の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、容易に名案も浮びません。もっとも甥《おい》の方は私より若いだけに、まだ執念深く
初一念を捨てないで、場合によったら平太夫《へいだゆう》のしたように、辻冠者どもで....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
る。同時に、地上最初に出現した生命の種子である単細胞が、地上に最初に出現した時の
初一念? とその無限の霊能が、その霊能を地上に具体的に反映さすべく種々の過程を経....
「沈没男」より 著者:海野十三
こにて切る。 (×月×日、ハリッチ発) ハリッチ発などと書くと、余が、とうとう
初一念を貫いて、ロンドン上陸後、このハリッチへ来たように邪推するであろう。しかし....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、途中でその手毬を拾った罰だろう、と思う、思うんです。 祟らば祟れ!飽くまでも
初一念を貫いて、その唄を聞かねば置かない。 心の迷か知れませんが。目のあたり見....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
うと思うと、この上東京で一人安気にぶらぶらしているのが済まない感が生じた。これは
初一念とは違うのだが、小胆な私はこう思い出すと、矢も楯も耐らず、藤野翁の好意には....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
「宗祇が『古今集』のやまとうたは人の心を種とするといっているのを釈して、それを元
初一念の人の心と断じ、忽然念起、名づけて無明と為すというのはこれだ。無明は煩悩だ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
し 圓朝の墓どころ 昭和癸未睦月下浣於 巣鴨烟花街龍安居 作者 第一話
初一念 一 「……」 クリッとした利巧そうな目で小圓太の次郎吉は....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
はどうなったか。久作が椿事に遭って生命からがら帰って来たのを感ちがいした喜助は、
初一念を貫いて、あれから直ぐ後で、鉄路の露となって消えてしまった。 (「探偵」一九三一年七月)....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
、十日で駈け出しました」云々と孝助にこし方を語らせている。すでに拙作『圓朝』の「
初一念」の章を読まれた方々はこのくだりを読まれてたちまち思い半ばに過ぐるものある....
「殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
膝とを突き合せるように坐らせて 「男であれ女であれ人間は、 いつでも、どこででも
初一念を忘れてはなりません、 なんでもよいから、あなたがホントにしたいと思うこと....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
、師直としては到底できないことであるので、彼は子供らをことごとく敵としても、その
初一念を押し遂げなければならないという強い執着心に支配されていた。 こうなれば....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
昔の日本人も持っていた――今でも少数の日本人が持っている――思想と行動の一貫性、
初一念への執念深さ、自分が自分に背負わした荷物への保持力、なかなか食いつきはしな....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
の上に一家の事情が纏綿して、三方四方が塞がったから仕方がなしに文学に趨ったので、
初一念の国士の大望は決して衰えたのでも鈍ったのでもなかった。語学校に教授を執った....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
ジリジリし、じれったがるゆえんのものは、いやしくも茶の道を探って見んとした各人の
初一念というものがあり、その動機は清澄にして、美妙なものであったはずだからである....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
禅叢で失ったあの時代離れのした原始的な慾望を再び取り戻した。わけて慧鶴青年を緊く
初一念に引戻した書中の事蹟は何かというと慈明|和尚引錐自刺の条であったという。そ....