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初刷
「初刷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初刷の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜別」より 著者:太宰治
と、まあ、そんな事が書かれているのですね、それで私は、この話をうちの新聞の正月の
初刷りに、日支親善の美談、とでも言ったような記事にして発表しようと思っているので....
「元日」より 著者:夏目漱石
に元日及び新年の実質とは痛痒相冒《つうようあいおか》す所なき閑事業である。いくら
初刷だって、そんな無駄話で十頁《ページ》も二十頁も埋られた日には、元日の新聞は単....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
誰れにも見られる事になった。私は今いった最初発見の句集を持っていた上に、別によい
初刷本のあるという事を村幸から知らせて来たので、終に若干の価を増し前のと交換して....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
れはいろいろのことからでしょう。まるで順調にゆけば四五日でなくなりそうな部数しか
初刷しないのですって。再版がゆけばどしどしのつもりね、商売だからそれもそうでしょ....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
配られる頃になった。問屋へ頼んで安くおろして貰い、彼はそれを肩に担ぎ、 「暦々、
初刷り暦!」 こう呼んで売り歩いた。 「暦を売って儲けた金でともかくも葛飾へ行....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
あき》れ、兵士喜んで買い、書生ソッと買う。而《しか》してその由来を『国民の友』の
初刷に帰する者あり。吾人《ごじん》かつてゾラの仏国に出《い》でたるを仏国の腐敗に....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
東京朝日新聞の
初刷に客員柳田國男君の炭焼長者譚という面白い読物の第一回が出ていた。奥羽地方に伝....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
きちらして閉口している。 去年、「新・平家」の第一巻が、初めて刊行になり、その
初刷りの一巻が、出版局の人々の手で届けられた日が、偶然、香屋子の初めての誕生日だ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
家々の正月が、いかに晴々と心の改まるものであったかを考えると、自分たちの年始状と
初刷との中に、ごろんと寝ころんでいるような新年の、徒然なものであることに始めて心....