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初太刀
「初太刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初太刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
いをあせって、ほとんど昼夜の嫌いなく、松山の内外を窺《うかが》って歩いた。敵打の
初太刀《しょだち》は自分が打ちたい。万一甚太夫に遅れては、主親《しゅうおや》をも....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
と思うと彼は抜き撃ちに切り付けた。外記も武芸の心得はある。躱《かわ》したからだに
初太刀《しょだち》は空を撃たせて、二度目の切っさきは碁盤で受け留めた。茶を持って....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
みじん》とみせて、ヒラリと返すのだから一流に達した腕でないと出来ない芸当である。
初太刀は大抵受けられるが、後の先といってすぐの斬返しにまで備えるのは余程の腕が要....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
斬りつけるところを、考えた。 松の廊下――ちょうど、隅の柱六本目のかげだった。
初太刀《しょだち》は、烏帽子の金具に当って、流れた。二の太刀は、伸びて肩先へ行っ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
敵の……えゝ人が立って成らぬなア」 正「私が一太刀」 山「いや、お前はお兄様でも
初太刀は成りません、お繼は七年このかた親の仇を討ちたいと心に掛けましたから、お繼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば、体当りで微塵《みじん》に敵の陣形をくずしてみたり、一《いち》か八《ばち》かの
初太刀《しょだち》を入れてみる。当れば血を吸い骨を啖《くら》うことを好む刃《やい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
肩のところを竹刀《しない》で押えると、地響きを立てて横に倒れました。その、鮮かな
初太刀が、集まっているすべての竹刀を休ませて、兵馬一人を見つめて、仰天の態《てい....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
斬りの相手を求めて、乾雲丸の指し示すがままに道をこのほうへとってきたのだったが、
初太刀をはずされた当の獲物が坤竜丸とわかってみれば!
もう何も言うことはない。....
「青春論」より 著者:坂口安吾
ぐる燕を斬って速技を会得したというが、小次郎の見解によれば、要するに燕を斬るには
初太刀をかわして燕が身をひるがえす時、その身をひるがえす速力よりも早い速力で斬れ....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
とそのままのめったが、雪を掬って颯と掛けた。これぞ早速の眼潰しである。 武士は
初太刀を為損じて心いささか周章てたと見え備えも直さず第二の太刀を薙がず払わず突い....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
のいる寺からは、百姓家の蔭に――そうして、堂の前は、雑木の林であった。広岡が
「
初太刀は、某に――仕損じても、仕損じんでも」
小太郎は、頷いた。広岡は、往来を....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しく思える。
それは、高弟中の御池十郎左衛門だった。十郎左衛門は、自分がまず、
初太刀の皮膜を切ろうとするものらしく、ズズと、摺り足に身をすすめて、
「師の清十....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の者、三人、五人、七人、十人ずつ――得物を取って続々と八方へ駈け散ってゆく。 「
初太刀をつけたのはこの有村、余人に功を奪われてなるものか」 腰の痛みを忘れて自....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
かけぬか。――ウウム! 返辞がないな! では逆礼ながら待ち伏せられたこのほうから
初太刀がまいるぞッ――」 「生意気なッ」 と、初めて、怒声を叩き返したのは、剽....