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初婚
「初婚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初婚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
開《そかい》し、疎開中に、いまの細君をものにして結婚した。細君のほうは、もちろん
初婚で、その実家は、かなり内福の農家である。 終戦になり、細君と女児を、細君の....
「皮膚と心」より 著者:太宰治
うですが、また、なんにもはいらぬ月もあって、平均して、七、八十円。それに向うは、
初婚ではなく、好きな女のひとと、六年も一緒に暮して、おととし何かわけがあって別れ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の藩中で、坂本流砲術の創始者として知られた坂本孫四郎の娘にあたる。ゆえあって母は
初婚の夫の家を去り、その母と共に南殿村の稲葉の家に養われたのがおまんだ。婦人なが....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
上官の姚忠粛に報告すると、姚も亦すこし考えていた。 「お前の妻はなかなか偉いな。
初婚でお前のところへ縁付いて来たのか」 「いえ、再婚でございます」と、丁は答えた....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ず、従兄妹同士が恋愛のいかに強きかを知れるより、嫉妬のあまり、奸淫の念を節し、当
初婚姻の夜よりして、衾をともにせざるのみならず、一たびも来りてその妻を見しことあ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
、先方ではいろいろと身もとを調べて、すげなく追い払ってしまった。ところが、彼は、
初婚のときと同じように、今度もまたこの少女に駆け落ちをすすめた。もしもそのとき、....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
暮してるそうよ。……私はもう長く逢ったことがないから、よく知らないけれど。」 「
初婚かい。」 「ええ、早く結婚しちゃったのよ。」 「何処で?」 「名古屋で。名古....
「失策記」より 著者:豊島与志雄
の遠縁に当る名門の令嬢で、女子大学出身の才媛、勉学のために年は二十七になってるが
初婚、持参金十万円近くあるという。ほほうといった気持で私は、彼女が差出す晴れやか....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
殿をこしらえていた。三人の息子《むすこ》、夫――彼女は夫の思い出にたいしてはなお
初婚時代の愛情を失わないでいた――老祖父、兄のゴットフリートなど、すべて親愛な人....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
ふとっていたが、神経衰弱気味であった。見合をしたのが発病の元であった。 むろん
初婚ではない。梅玉堂は五十三だ。死んだ先妻には大学生の倅をはじめ三人の子供が残さ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ろで、すいぶんつらいことがあるだろうと思います。」 「それはいたし方ない。先方も
初婚というわけではないし、それに、さっきから話しましたような事情じゃで、とくと話....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
、任意に選んだ結婚の出産性を測定せんとするものである。しかしこの意味の出産性は、
初婚または既婚婦人の出産性とは慎重に区別しなければならず、更に最も好適な年齢にあ....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
スワンソン氏の上機嫌を二十四時間保たしめる。 夫人は後妻だ。彼女が前に経験した
初婚の年齢の均衡の取れた夫婦関係では夫が青臭く匂って張合いが持てなかったが、今の....
「帯広まで」より 著者:林芙美子
見えない裏側の方で常に何かと遠く話しあっていることに気がつかなかったのであった。
初婚のせいか、幼い伊代には男一人ぐらいはどうにでもなると云った安心さがあったのだ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
《たねだじゅんぺい》という。年五十余歳、私立中学校の英語の教師である。 種田は
初婚の恋女房に先立たれてから三四年にして、継妻《けいさい》光子《みつこ》を迎えた....