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「初島〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初島の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
が部屋の南の障子《しょうじ》をあけて、私に気色を説明して呉《く》れた。 「あれが初島でございます。むこうにかすんで見えるのが房総の山々でございます。あれが伊豆山....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
んでした。多分その初音屋の暖簾下か出店かなんかだろうと思いますが、芝神明の近所に初島という駕籠屋がありました。なか/\繁昌する店で、いつも十五六人の若い者が転が....
メデューサの首」より 著者:小酒井不木
るいは石ころばかりの海岸を伝い歩いて砂のないことを嘆いたり、あるいは部屋の中から初島を眺めてぼんやりしていたり、あるいは烏賊ばかり食わされて下痢を起こしたり、と....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。おとなの世界をのぞいて見たばかりのようなお民は、いくらか羞を含みながら、十七の初島田の祝いのおりに妻籠の知人から贈られたという櫛箱なぞをそこへ取り出して来てお....
高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
二三杯のんで、そして二人で海辺へ散歩に出ました。残照がまだ明るく海の上に映えて、初島がたいへん近く見え、その先は茫漠と暮れかけていました。....
深夜の電話」より 著者:小酒井不木
ばなりません。俊夫君は、前面のはや暮れ初めた海中に横たわる島を指して、 「あれは初島だよ」 と言いました。 海岸の白砂のないのは物足らぬけれど、このあたりか....
鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
冴えた真紅の丸い鯛も外洋からくる。これは雌だ、と言っている。外洋である伊豆網代沖初島まわりの鯛釣り場でも、四、五月頃の春鯛釣りに居付き鯛と称される冴えた立派な鯛....
水の遍路」より 著者:佐藤垢石
いる。南豆の長津から下田港へかけては、冬の釣り場として国内屈指の地である。網代と初島の周りは、あまりにも有名だ。伊東温泉には海も川もあり、鱸も平目も、鮎も山女魚....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
一 青い波のうねりに、初島《はつしま》がポッカリと浮んでいる。 英国種の芝生が、絨氈《じゅうたん》を....
謎の女」より 著者:平林初之輔
きょし》状に沖へ伸びている。 正面には大島が水平線に浮いて見え、遥か手前には、初島がくっきりと見える。 すぐ眼《め》の下には、熱海駅前の雑踏や、小学校のグラ....
旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
な 駄句積もるほどに峠までは来りたり。前面|忽《たちま》ち見る海水盆の如く大島初島皆手の届くばかりに近く朝霧の晴間より一握りほどの小岩さえありありと見られにけ....