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「初恋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初恋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
この永久に帰って来ないヴェネチアの少女を思い出している、ちょうど何年も顔をみない初恋の女人《にょにん》でも思い出すように。 六 お母さん 八歳か....
或る女」より 著者:有島武郎
れを見て自分の態度を後悔すべきはずである。 二 葉子は木部が魂を打ちこんだ初恋の的《まと》だった。それはちょうど日清《にっしん》戦争が終局を告げて、国民一....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
い芸妓たちは訊き返すと 「それがはっきり判れば、苦労なんかしやしないやね」それは初恋の男のようでもあり、また、この先、見つかって来る男かも知れないのだと、彼女は....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
あ、ほんとに久し振りに行ってみましょうか」 と答えた。そう言いかけていると私は初恋の話をするように身の内の熱くなるのを感じて来た。初恋もない身で、初恋の場所で....
階段」より 著者:海野十三
そんな固苦しい態度に出でなければミチ子と話なんか出来る筈のない僕であった。それは初恋の経験を持たれる読者諸君には、覚えのあることであろうと思う。そのミチ子――愛....
自叙伝」より 著者:大杉栄
の礼ちゃんのことが少し気にかかるので、というのは、あんな甘いしかも実も何にもない初恋の話の続きを今後まだあちこちに挾んで行くのは少し気が引けるので、少々年代を飛....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
い付きそうな表情で見つめた。 都会の中央へ戻りたい一心から夢のような薫少年との初恋を軽蔑し、五十男の世才力量に望をかけて来た転機の小初は、翡翠型の飛込みの模範....
」より 著者:池谷信三郎
問。被告のその気持は諦めという思想なのか。 答。いいえ違います。私は彼女をまだ初恋のように恋しています。彼女は私のたった一人の恋人です。外国の話しにこんなのが....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
き上げ水中で魚にとられた餌を取りかえて、 ――兎も角、おれが巴里で始めて出会った初恋娘のカテリイヌの本当の事情は大分おれの想像と違っていた。あの女はそれほどうい....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、確にその人、我が年紀十四の時から今に到るまで一日も忘れたことのない年紀上の女に初恋の、その人やがて都の華族に嫁して以来、十数年間|一度もその顔を見なかった、絶....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
さいました……」 これですもの、可懐さはどんなでしょう。 しかし、ここで私は初恋、片おもい、恋の愚痴を言うのではありません。 ……この凄い吹雪の夜、不思議....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
に扮したあの男に、渡した花と云うのが、頗る妙なんだよ。第一に、紫丁香花――これは初恋のときめきだ。それから花箪草は、もう信ぜられぬ――と云う意味なんだし、最後に....
三枚続」より 著者:泉鏡花
むる色にありで、師弟の間でもこの道はまた格別。花のごとく、玉のごとき顔に対して、初恋、忍恋、互思恋などという、安からぬ席題を課すような場合に、どんな手爾遠波の間....
」より 著者:カフカフランツ
す。でも、ほんとうは万事うまくいったわけではありません。ハンスは、自分をりっぱな初恋の人と見てくれた普通の娘といっしょになったほうが、きっとずっと幸福だったこと....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
眺めやったなら、それを讃嘆する心の興奮に伴って、さすがに埋め尽した積りの珪次との初恋の埋火が、私の心に掻き起されないものでもないような気がしてならなかったのであ....