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「初旬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初旬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
した年の秋――と云っても、日が暮れると、しばしば深い靄《もや》が下りる、十二月の初旬近くで、並木の柳や鈴懸《すずかけ》などが、とうに黄いろい葉をふるっていた、あ....
或る女」より 著者:有島武郎
そうちらっと思いながら素早《すばや》く話を他にそらした。 三二 それは二月初旬のある日の昼ごろだった。からっと晴れた朝の天気に引きかえて、朝日がしばらく東....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
んで何と言いますかと聞くと「霜こしや。」と言った。「ははあ、霜こし。」――十一月初旬で――松蕈はもとより、しめじの類にも時節はちと寒過ぎる。……そこへ出盛る蕈ら....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
っと清書にいたし、方々の御内見に入れますので、世間晴れての勤めは、更めて来霜月の初旬、さるその日本の舞台に立つ筈でござる。が、剣も玉も下磨きこそ大事、やがては一....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
病気は一時なかなかの重体で、わたくし共もずいぶん心配いたしましたが、幸いに翌月の初旬には全快しました。そのあいだに三津子さんからたびたび見舞の手紙をくれましたの....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
時乗れないまでも、押す事さえ出来たらと思うのである。 或夕方、――それは二月の初旬だった。良平は二つ下の弟や、弟と同じ年の隣の子供と、トロッコの置いてある村外....
河童小僧」より 著者:岡本綺堂
に出逢って、なるほど世には不思議もあるものだと流石に舌を巻いたと云う。即ち五月の初旬、所謂る降りみ降らずみ五月雨の晴間なき夕、所用あって赤阪辺まで出向き、その帰....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
冬季は農作も閑であるので、ほとんど毎日のようにそこらの野山を猟り暮らして、十二月初旬の陰った日に白旗山へ分けのぼると、きょうはどうしたものか小雀一羽もかれらの眼....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
ているので、足の踏みどころも無いような乱雑の体たらくである。――江戸の末期、二月初旬の夜。 (座敷のまん中には忠臣蔵六段目の勘平に扮したる和泉屋の若い息子角太郎....
白い蝶」より 著者:岡田三郎助
友の家を出たのは、最早夕暮であった、秋の初旬のことで、まだ浴衣を着ていたが、海の方から吹いて来る風は、さすがに肌寒い、少....
雪の一日」より 著者:岡本綺堂
プレイ・ゴーアーなるものは案外に少数であることを記憶しなければならない。 先月初旬に某雑誌から探偵小説の寄稿をたのまれたが、私はなんだか気が進まないので、実は....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
は其んな問題で無かった。 「時に忠一さんから何か消息があったか。」 「何でも来月初旬には帰郷するということでしたが……。」 「そうか。それは好都合だ。」と、父は....
贋物」より 著者:葛西善蔵
いったような文句の手紙を、東京の友人たちへ出したりした。彼ら五人の親子は、五月の初旬にG村へ引移ったのであった。 彼は、たちまちこのあばらやの新生活に有頂天だ....
遊動円木」より 著者:葛西善蔵
私は奈良にT新夫婦を訪ねて、一週間ほど彼らと遊び暮した。五月初旬の奈良公園は、すてきなものであった。初めての私には、日本一とも世界一とも感歎....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を動かすに至らず、財政的準備以外は何ら見るべきものが無かった。 「一九一四年七月初旬、内務次官フォン・デルブリュックは当時ロッテルダムに多量の穀物が在ったため、....