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初段
「初段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
名、刑事巡査六名がことごとく変装して、鎮守の森を遠巻きにしたそうです。そして柔道
初段という刑事と、撃剣が三級という腕節《うでっぷし》の強い刑事とが、選ばれてその....
「食魔」より 著者:岡本かの子
くのであった。彼はこの間に持って生れた器用さから、趣味の技芸なら大概のものを田舎
初段程度にこなす腕を自然に習い覚えた。彼は調法な与四郎となった。どこの師匠の家で....
「わが町」より 著者:織田作之助
て夏が来ると、自分から縁台を持ち出した。儀助が将棋好きだったのである。敬吉は田舎
初段であったが、おたかに言いふくめられて、三度に一度儀助に負けてやった。 もは....
「天馬」より 著者:金史良
き加減で通りの真中をがに股で歩き出した。或は彼自身が云っているように、本当に柔道
初段以上のために広過ぎる程の肩が凹み込んでいるのかは知らないが、がに股はあの妙な....
「碁の手直り表」より 著者:菊池寛
自分は、二十二三歳の頃今の宮坂六段と一度打ったことがある。宮坂氏は、自分の棋力を
初段に十一目だと鑑定してくれた。これはお世辞のない所で、正確だと思っている。その....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
功を積んだ苦労人で、万事じょさいのない処で、将棊は素人の二段の腕を持ち、碁は実際
初段うてた。それ等がたよりで、隠居仕事の寮番という処を、時流に乗って、丸の内辺の....
「将棋の鬼」より 著者:坂口安吾
ろで、私がなんなくまとめあげて、宿屋へもどる。それから碁を打つ。木村前名人が碁の
初段で、升田八段が、あいにくなことに、ちょうどそれと同じぐらいの力量なのである。....
「文人囲碁会」より 著者:坂口安吾
が大いに意外とはしないようで、彼は新橋の碁会所の常連であった。豊島、川端、村松三
初段は全然腕に自信がなくて至って、鼻息が弱いのだが、倉田百三
初段の鼻ッ柱は凄いも....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
をわずらッて、それからこッち、学校には上っていないそうだ」 「正坊に角をひくなら
初段だが、小学校の六年生に
初段なんているもんかい」 「東京にはザラにいるらしいや....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
り、又の名を「三歩」というのだそうである。 六十二級を碁の場合に当てはめると、
初段に六十二目おくことになる。そんな碁はない。しかし、ありうるのだ。勝負ごとの初....
「九段」より 著者:坂口安吾
の域だそうだ。碁は増淵四段に師事し、旅館業をはじめてから習い覚えたのが、五年目に
初段格。毎週一回英国婦人が英語を教えにくる。バイヤーの旅館だから英語の心得がいる....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
れないけれども、相当の高段を奪取した猛者もいるようだ。私が二段になったときいて、
初段の火野葦平は日本棋院へ訴状を送り 「自分は安吾二段を白番で大破せしめた記録が....
「勝負師」より 著者:織田作之助
びとは「こんど指す時は真中の歩を突くだろう」と嘲笑的な蔭口をきいた。坂田の棋力は
初段ぐらいだろうなどと乱暴な悪口も囁かれた。けれども、相手の花田八段はさすがにそ....
「好奇心」より 著者:織田作之助
宮枝は慄く、男はみな殺人魔。柔道を習いに宮枝は通った。社交ダンスよりも一石二鳥。
初段、黒帯をしめ、もう殺される心配のない夜の道をガニ股で歩き、誰か手ごめにしてく....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
無抵抗主義でない。近頃肺が悪くて芦屋に保養はしていたが、女学校時代には学校で柔道
初段の免状を貰っておる腕に覚えのある女である。 「ちょっとお待ちなさい! 」 ....