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「初穂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初穂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年時代」より 著者:幸田露伴
。まだまだ此外に今上皇帝と歴代の天子様の御名前が書いてある軸があって、それにも御初穂を供える、大祭日だというて数を増す。二十四日には清正公様へも供えるのです。御....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
祷、それに水の拝借と言って、村からは諏訪大社へ二人の代参までも送った。神前へのお初穂料として金百|疋、道中の路用として一人につき一|分二|朱ずつ、百六十軒の村じ....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
女神がお作らせになっている田の畔をこわしたり、みぞを埋めたり、しまいには女神がお初穂を召しあがる御殿へ、うんこをひりちらすというような、ひどい乱暴をなさいました....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ッ児は五人、七人隊をなして、家々の門を祭り銭をつなぎにまわる―― 「お稲荷様のお初穂、おあげの段から墜こって……」と膏薬代をねだるように口ではいうが、実はさらさ....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
れかかってその破れ石の上を、継ぎ剥ぎに縫っている。 朝飯が炊けると、嘉代吉はお初穂を取って押しいただいた、山の神さまへ捧げるのだという、私も人夫も、それを四、....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
けない出来事のために、大分の隙入をしたものの、船に飛んだ鯉は、そのよしを言づけて初穂というのを、氷詰めにして、紫玉から鎌倉殿へ使を走らせたほどなのであった。――....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
んべいと、上荷に積んであるもんだ。喜十郎旦那が許で、ふっくりと入れさっしゃる綿の初穂へ、その酒浸しの怪物さ、押ころばしては相成んねえ、柔々積方も直さっしゃい、と....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
小さな堂があって、子供が四五人――午の日でした。お稲荷講、万年講、お稲荷さんのお初穂。「お初穂よ、」といって、女がお捻を下へ投げると、揃って上を向いた。青いんだ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仮宮の前へ、誰がするともなく、おびただしい鏡餅の供え物です。紙に包んだ金何疋のお初穂《はつほ》が山のように積まれました。 多分、江戸から来た物好きがしたことで....
物のいわれ」より 著者:楠山正雄
した。神さまはすずめの孝行なことをおほめになって、 「すずめよ、毎年これから稲の初穂をつむことを許してやるぞ。」 とおっしゃいました。でもおはぐろは、つけかけ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
蒸し芋である。 主人は鶴見にこっそりいった。「きょうは一月遅れの七夕ですから、初穂として早出来の甘藷を掘って見ました。」 こういって、主人は自席へ戻って行っ....
屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
神仏はあるものよ。怖しや、有りがたや」 と隠居は財布のヒモをほどいて、定めのお初穂百二十文敬々しく差上げて立ち帰りました。ところが待てど暮らせど失せ物は現れま....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
願い事があると、信者はその神馬を曳き出し、境内の諸堂をお詣りさせ、豆をご馳走しお初穂を上げてお祓いをしたものである)。こういう風に神様の地内だか、観音様の地内だ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
巻莨を口に預けたので、煙が鼻に沁む顰め面で、ニヤリと笑って、 「へい、わざッとお初穂……若奥様。」 「馬鹿な。」 「ちょっと、手をお貸しなすって。」 「馬鹿な、....
清心庵」より 著者:泉鏡花
な。咽喉が渇いて、しようがないんだから。」 「さあさあ、いまお寺から汲んで来たお初穂だ、あがんなさい。」 掬ばむとして猶予らいぬ。 「柄杓がないな、爺や、お前....