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「初舞台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初舞台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
のに飽ききっているはずだ。こんな当てにならないことを当てにして、すぐにも華々しい初舞台《デビュー》ができるように思っている佐竹君の世間見ずが、俺は少し気の毒にな....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
「俺は、女形をやれる軽口師という触れこみで、つい四日ほどまえ『恋鳩』に雇われた。初舞台――。ご婦人の下着などを取りだして、すっきりと笑わせる。と、行ってくれりゃ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
れない。毎日のように舞台へ詰めて、桟敷をかける世話までした。伏見屋の方でも鶴松に初舞台を踏ませるとあって、お玉の心づかいは一通りでなかった。中津川からは親戚の女....
正義と微笑」より 著者:太宰治
月一日初日。出し物は、「助六」漱石の「坊ちゃん」それから「色彩間苅豆」。 僕の初舞台だ。もっとも僕の役は、「助六」では提灯持ち、「坊ちゃん」では中学生、それだ....
初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
列してあって、それに「花○喜○|丈」と一々札がつけてある。一座の立役者Hの子供の初舞台の披露があるためらしい。ある一つの大きな台に積上げた品物を何かとよく見ると....
家なき子」より 著者:楠山正雄
きるようになった。ああ、わたしはもう一人ではなかった。わたしには友だちがあった。初舞台 そのあくる日は早く出発した。 空は青あおと晴れて、夜中のから風がぬか....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ちゃんと払わなければ翌日から、小屋を開けてくれないので、苦労知らずの若い連中は、初舞台を踏む興奮も嬉しさも、金策の苦労で消されがちだった。 ただ圭子は、十四場....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
成功の意味を履き違えないようにしてください。 M・S君へ 偶然の機会に君の初舞台というのを見ました。偶然というのは、プログラムで人からそれを注意されたから....
女優の親」より 著者:岸田国士
つの契機になつていると思う。 この『夜の向日葵』に、僕の娘も出ている。今日子の初舞台は『キティ颱風』で、あのときは、はら/\するばかりであつたが、その後、アト....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
予科は一年しかない。翌年はもう舞台にでる。「虞美人」では兵隊さんの多くが今春初舞台の少女たちだそうだ。使い方が巧みだから、ヘタが目立つような稚拙な構成は見ら....
役者の一生」より 著者:折口信夫
来て、その当時の源之助(三代目)の子になり、沢村家のよい名である源平を名のった。初舞台が明治三年十二歳で、「夕霧伊左衛門」の吉田屋の娘という役で出た。役らしい役....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
十七年頃日本美術協会というものがあった。これが私の世の中に顔を出した所で、いわば初舞台とでもいうものであろうか。この一つの会が私というものを社会的に紹介してくれ....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
小杉天外君が初めて「蝶ちゃん」(?)という小説を『小日本』に連載。これが天外君の初舞台?。 子規居士既作の処女作「月の都」を『小日本』紙上に連載、続いて「一日....
二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
居った時分|何時ぞや大阪に催された演奏会に、師の君につれられて行く時、父君が妾の初舞台の祝にと買い賜われたものだ、数千人の聴客を以て満たされた、公開堂の壇上、華....
かもめ」より 著者:神西清
うは? トレープレフ どうやら、もっとひどいらしい。モスクワ郊外の別荘地の小屋で初舞台をふんで、それから地方へ回りました。そのころ僕は、いつもあの人から目を放さ....