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初花
「初花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
さき藤の紋、中着《なかぎ》緋紗綾《ひざや》に黒繻子《くろじゅす》の帯、年は十七|
初花《はつはな》の、雨にしおるる立姿《たちすがた》」と唄った。半九郎に対しては、....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
い。わが本統のあらん限り、越前の家また磐石のごとく安泰じゃ」といいながら、秘蔵の
初花《はつはな》の茶入を忠直卿に与えた。忠直卿はこの上なき面目を施して、諸大名の....
「道標」より 著者:宮本百合子
めた。そして一束の花束をさし出した。
「|雪の下《ポド・スネージュヌイ》! 春の
初花、お買いなさい、あなたのお仕合せのために」
伸子はその花束を眺め、ポケット....
「白くれない」より 著者:夢野久作
粧したる天女たちとは事変り、その物腰のあどけなさ、顔容のうひ/\しさ、青葉隠れの
初花よりも珍らかなり。 われ、かく思ひつゝも恭しく礼を返し、教へられし方に立去....
「源氏物語」より 著者:紫式部
》に立てる白玉椿《しらたまつばき》、それもがと、ましもがと、今朝《けさ》咲いたる
初花に逢《あ》はましものを云々《うんぬん》」という歌詞である)源氏は服を一枚脱い....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いう高級の女房が歌を詠みかけた。 折りて見ばいとど匂ひもまさるやと少し色めけ梅の
初花 速く歌のできたことを薫は感心しながら、 「よそにては※木なりとや定むらん....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
」などと比較することもまた極めて有益である。 「常」のついた例には、「相見れば常
初花に、情ぐし眼ぐしもなしに」(巻十七・三九七八)、「その立山に、常夏に雪ふりし....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
れているものに「河内山」がある。明治十四年三月の新富座初演で、名題は「天衣紛上野
初花」と云うことになっているが、黙阿弥は明治七年十月の河原崎座で「雲上野|三衣策....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
けた、美しい元禄の佳句である、と思わるる。 花少し散つて晴れけり朝曇り 多代女
初花や一木の中の晴れ曇り 同 花に月どこからもれて膝の上 同 さ筵に這ひ習ふ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
服姿が思出されます。 駒ひくをまつ朝戸出の手すさびに 折りてぞ見つる梅の
初花 明治四十年頃の歌です。その梅なども、もとよりありません。昔駒寄せのあった....
「遺伝」より 著者:小酒井不木
好奇心が禍を齎らします。私のこの傷も、つまりは私の好奇心の形見なんです。 私が
初花という吉原の花魁と近づきになったのも、やはり好奇心のためでした。ところが段々....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の種の草双紙で「松栄千代田神徳」「日本晴伊賀仇討」「茶臼山凱歌陣立」「天衣紛上野
初花」「古代形新染浴衣」そのほかにも幾種を読んだが、小説体に書かれたこの種の物よ....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
鳴いている。 「あすこに白く細くちらりと見えるだろ。あれが躄勝五郎の物語で有名な
初花の滝さ」 少しわき道をして慶四郎は、千歳に滝を見せたりした。 またごろの....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
東京にても評判好かりき。初代中村鴈治郎の父なり。 ○四月、新富座にて「天衣紛上野
初花」を上演。河竹新七がその旧作を改訂せるものにて、団十郎の河内山、菊五郎の直侍....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
るあさけの風は袂寒しも 万葉 八 谷風にとくる氷のひまごとにうち出る浪や春の
初花 古今 一 わが宿の梅の花さけり春雨はいたくな降りそ散らまくもをし....