初荷[語句情報] »
初荷
「初荷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初荷の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とりでにばらりと解けらあ。さあ、駕籠《かご》だッ」 二丁並べて松の内正月二日の
初荷の町を、われらも初出とばかり、ひたひたといっさん走り。しかも、目ざしたところ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
仕方がない。こんどの状態は後者で、ワカンを履いてなお腰近くまでもぐった。それで最
初荷物を置いたまま、から身で道をつけ、のちスキーと荷物は二回に分けて運ばねばなら....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の賑合を見物かた/″\東京に獅子舞に出かけたり、甲州街道を紅白美々しく飾り立てた
初荷の荷馬車が新宿さして軋らしたり、黒の帽子に紫の袈裟、白足袋に高足駄の坊さんが....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
大方二日以後の日を択び、元日はただ※笑の間に和楽して終るが多い。 二日は初湯、
初荷、買初、弾初、初夢など江戸ッ児にとっては事多き日である。殊にお宝お宝の絵紙を....
「小鈴」より 著者:宮本百合子
がら中にはいくらか澄んだいい音色のものもあって、可愛い心が誘われた。 馬だって
初荷のときは鈴をつけられる。私の弟のやさしい従順な家内が、あんなに朝から晩まであ....
「淪落」より 著者:林芙美子
もらつて、やつとの思いで買つた中古の黒革のハイヒール、或る男が、わたしのことを、
初荷の馬だねと云つたけれども、その時に意味が判らなかつたけれど、あとで、その意味....
「牛」より 著者:岡本綺堂
。」 と、老人は話し出した。 「今でも名残をとどめているが、むかしは正月二日の
初荷、これが頗る盛んなもので、確かに江戸の初春らしい姿を見せていた。そこで、話は....
「魔像」より 著者:林不忘
こうがい》、かもじなど。それに、黒、緑、赤、黄と、四色の木綿片《もめんぎれ》が、
初荷の馬の飾りのように、物ものしく垂れさがっている。現代《いま》でも、田舎などで....
「魔都」より 著者:久生十蘭
。どこにもあの壮烈な戦闘のあとなどはない。月が空からそれを見ている。魚河岸を出た
初荷のトラックが、ブリキ罐を叩きながら威勢よく尾張町の方からやってくる。この大都....
「はつゆめ」より 著者:小川未明
いっしょに いかない。」 と、武ちゃんが いったので、町へ いっしょに いくと、
初荷の 車が やって きました。こめだわらの 上に、だいこくさまを かざって、青....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
い多彩な刺繍の和鞍を作るのは、ただこの下野と常陸との二ヵ国だけであります。正月の
初荷の時や、嫁入の時に新しく誂えます。少し前までは朱塗|金箔の革も用いました。お....