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初袷
「初袷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初袷の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
必要があるので、半七は幸次郎を連れて出た。四月はじめの大空は蒼々と晴れて、町には
初袷《はつあわせ》の男や女が賑わしく往来していた。昔ほどの景気はないが、それでも....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
い物 渡し船 汐干狩 山吹の名所 節句 筍めし 藤と躑躅と牡丹 初松魚 釣りと網
初袷 五月場所 花菖蒲 稗蒔 苗売り 木やり唄 浅草趣味 八百善料理 風鈴と釣忍....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
て、すぐ、ご飯にして、ちょうだい」 サト子が、先に行って待っていると、叔母は、
初袷《はつあわせ》のボッテリしたかっこうで茶の間へ出てきて、食卓につくなり、トー....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
して呉れた。 鉄無地の道行半合羽、青羅紗の柄袋、浅黄甲斐絹の手甲脚半、霰小紋の
初袷を裾短かに着て、袴は穿かず、鉄扇を手に持つばかり。斯うすると竜次郎の男振りは....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
感慨御同様惜しきものに候。然る所小生卒業論文にて毎日ギュー。閲読甚だ多忙。随って
初袷の好時節も若葉の初鰹のと申す贅沢も出来ず閉居の体。しかも眼がわるく胃がわるく....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
ん》に送られようという騒《さわぎ》の最中《さいちゅう》である。母親のお豊は長吉が
初袷《はつあわせ》の薄着をしたまま、千束町近辺の出水の混雑を見にと夕方から夜おそ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
子をパチつかせ、冬はぼろ隠しの十徳を着て、飄々乎としている源内が、仕立ておろしの
初袷をつけて、いつになくこざっぱりしていたのは、季題はずれのように衆目をひいた。....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
思い切って出ない。何か仔細の有りそうな、もとは良家の青年らしく、折角染めた木綿の
初袷を、色もあろうに鼠色に染めたと、若い身空で仏門に入ったあじきなさを歎じている....