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初雷
「初雷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初雷の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
置かない人のように、冷然とその前を通り過ぎた。三度《さんど》頭の上の雲を震わせた
初雷《はつらい》の響を耳にしながら。
五
雨に濡れた俊助《....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
発揮いたしまして、七郎兵衛が不服そうに申し立てたものでしたから、右門のいつにない
初雷がその頭上に落下いたしました。 「控えろッ、控えろッ。ただくれてやるとはなに....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
一刻と、やがて三時間近くも、押し黙って依然ごろりとなったままでしたから、とうとう
初雷が夕だちを降らせました。 「ようがす。どうせそうでしょうよ。ええ、ええ、だん....
「竜舌蘭」より 著者:寺田寅彦
やむと、まもなく門の鈴が鳴って軒の葉桜のしずくが風のないのにばらばらと落ちる。「
初雷様だ、あすはお天気だよ」と勝手のほうでばあさんがひとり言を言う。地の底空の果....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
娘を売った血の出る金 今年の
初雷の鳴った後をザーッと落して来た夕立の雨、袖を濡らして帰って来たのは村井長庵と....
「歌集『涌井』を読む」より 著者:和辻哲郎
、雪が解け、やがて猫やなぎがほほけ、つくしがのび、再び蓮華草の田がすきかえされ、
初雷の聞こえるころになる。その間の数多い歌が、実に豊かに山村の風物を描き出してい....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に目がけられたように石山颪が小雨をぶっつけてくる。
「アッ、雷さまだぞ。ことしの
初雷だ。お通さん、濡れちまうよ。お師匠さまも奥へおはいりなさいよっ、座敷のほうへ....