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初鰹
「初鰹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初鰹の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
初袷《はつあわせ》の男や女が賑わしく往来していた。昔ほどの景気はないが、それでも
初鰹を売る声が威勢よくきこえた。 「すっかり夏になりましたね」と、幸次郎は云った....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を聞いて、半七も蔭ながら喜んでいた。 そのうちに今年の春もあわただしく過ぎて、
初鰹《はつがつお》を売る四月になった。その月の晴れた日に勘蔵が新らしい袷を着て、....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
なると、いつも私どもの頭に浮かんでくるのは、あの有名な、 眼には青葉山ほととぎす
初鰹 という句です。説明なしでも、もはや、日本人ならば何人にも十分にわかる句で....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
間は捜してみると存外容易に見つからない。飢えに泣いているはずの細民がどうかすると
初鰹魚を食って太平楽を並べていたり、縁日で盆栽をひやかしている。 これも別の事....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
まないと前の様に書棚を直して出て来ると、長治は膳部を持って出る。彼の辺は三月頃は
初鰹の刺身が出来まして、それに海苔の付合せを沢山にして、其の他キスだの鎌倉海老な....
「五月の唯物観」より 著者:寺田寅彦
ある生化学的問題に帰納されるのかもしれない。そういえば、春過ぎて若葉の茂るのも、
初鰹の味の乗って来るのも山時鳥の啼き渡るのもみんなそれぞれ色々な生化学の問題とど....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
を毒していた。賄賂請託が横行し、物価が非常に高かった。武士も町人も奢侈に耽った。
初鰹一尾に一両を投じた。上野山下、浅草境内、両国広小路、芝の久保町、こういう盛り....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
初鰹《はつがつお》 「船でい」 「おお、船だ船だ」 「鰹をやれ、鰹をやれ」 「運....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
に候。然る所小生卒業論文にて毎日ギュー。閲読甚だ多忙。随って初袷の好時節も若葉の
初鰹のと申す贅沢も出来ず閉居の体。しかも眼がわるく胃がわるく散々な体。服薬の御蔭....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
ど》かな 実方《さねかた》の長櫃《ながびつ》通る夏野かな 朝比奈が曽我を訪ふ日や
初鰹《はつがつを》 雪信《ゆきのぶ》が蝿《はへ》打ち払ふ硯《すずり》かな 孑孑《....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
のする処があるからである。 第三 樹 目に青葉|山《やま》時鳥《ほととぎす》
初鰹《はつがつお》。江戸なる過去の都会の最も美しい時節における情趣は簡単なるこの....
「いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
鎌倉を生きて出でけん
初鰹 芭蕉 目には青葉山ほととぎすはつ鰹 素堂 初がつおが出だしたと聞いては、....