判で押したよう[語句情報] » 判で押したよう

「判で押したよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

判で押したようの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
年三月の十日というのがその定例日――無礼講ですから余興はもとより付きもので、毎年判で押したように行なわれるものがまず第一に能狂言、それから次はかくし芸、それらの....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
れには極って細字に認めた参考書類がついている。それが又一言一句を違えず、文字通り判で押したように、そっくり同じである。根気の好いのには驚かざるを得ない。参考書類....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
事に満足していることは、彼が書く特徴ある筆蹟《ひっせき》にも窺《うかが》われた。判で押したような型に嵌《はま》った綺麗な文字で、いろんな掲示が事務室の壁に張りつ....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
ど》の一|刷《は》き、つづいて、解剖のような暴虐が屍《し》体の下部に加えられて、判で押したように、かならず子宮がなくなっている。同一人の連続的犯行であることは明....
丹下左膳」より 著者:林不忘
日に何人となく諸国諸大名の使いが、この林念寺前の柳生の上屋敷へやってきて、さて、判で押したような同じ文句をのべて、おなじような贈り物をさしだす。 もうすっかり....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
物佗しい館につかえる一個の無言の召使である。けれども彼が馬鈴薯を掘る絶倫な精力と判で押したように規則正しく台所へ消えて行くことは、見る人に、彼が誰か高位の人のた....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。幻想、まったくだ! わたしは自分の医者を馬鹿呼ばわりしているが、それでもなお、判で押したように彼は綺麗に赤い頬鬚に手入れをして、絶えず微笑をうかべながら、温和....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
音、そうして軟らかい気合いと共に、武士の姿は帆柱のもとに、端然冷然と立っていた。判で押したように規則正しい、その凄烈の斬り込みは、なんと形容をしていいか、言葉に....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
のお前のはなしでも聞こうじゃないか」 「おれのはなしなんて、何もいうこたあねえ。判で押したように、きまりきったもんだ。おいらはどだい手妻つかいなんだから、ああし....
神楽坂」より 著者:矢田津世子
。婿さんの新吉さんは五ツちがいの今年二十八で申分のない温厚な銀行員。毎日の帰宅が判で押したように五時きっかりなの。ひとりでは喫茶店へもよう入れないような内気なた....
小説 円朝」より 著者:正岡容
す」 とか、 「ハイハイいずれそのうち時期を見まして」 とか、みんながみんな判で押したように煮え切らない返事をするばかりだった。そうしてどこの寄席でもとりあ....
清水幾太郎さんへの手紙」より 著者:三好十郎
ちじるしかったことは、私の知っている多数の共産主義者のことごとくが、一人のこらず判で押したように、しかも即座に、戦争勃発については北鮮には責任なく、アメリカと南....
挿話」より 著者:徳田秋声
あるし、あの体で、あの大屋台の切りまわしはとてもできませんわ」 日が暮れると、判で押したように、辰之助がやってきた。道太は少し沮げていたが、お絹がこの間花に勝....