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「判断力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

判断力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
らめいて、その目は鋭く輝いたり涙ぐんだりしていた。木村は電火にでも打たれたように判断力を失って、一部始終をぼんやりと聞いていた。言葉だけにもどこまでも冷静な調子....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。いつの世でも探索に従事する者は皆そうであるが、情況証拠と物的証拠のほかに自分の判断力を働かせなければならない。茶の間の長火鉢の前に坐って、半七はきょうの獲物を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
らがこの術(占星)について絶対に無知識であるということと、彼らが常識的な健全なる判断力を欠いていることである』と言っている。 以上は、中世を通じて行われ、ごく....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なかった。 「さて、今夜はもう仏様も出まいて。しかし法水君、問題は、空想より論理判断力のいかんにあるよ。その二つの歩調が揃うようなら、君もナポレオンになれるだろ....
火星探険」より 著者:海野十三
協会長たるデニー博士は、この頃たいへん悩んでいて、これまで自信をもっていた自分の判断力に頼ることができなくなり、牛頭大仙人の水晶占いのことを聞きつけると、わざわ....
」より 著者:池谷信三郎
ましょう。 それから若い医学士は、被告の意識、学力、記憶力、聯想観念、注意力、判断力、感情興奮性等に関して、いろいろ細かい精神鑑定を行った。 女を一番愛した....
死者の書」より 著者:折口信夫
った。 寺方の言い分に譲るなど言う問題は、小い事であった。此|爽やかな育ての君の判断力と、惑いなき詞に感じてしまった。ただ、涙。こうまで賢しい魂を窺い得て、頬に....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
個の人格者としてのモーゼスも、又|間然する所がなかった。公平で、正直で、謙遜で、判断力に富んでいると同時に、又絶大の同情心にも富んでいた。彼はいかなる懐疑者、煩....
母と娘」より 著者:岡本かの子
銘を受けるかをハラハラ身もやせる程案じて居ります。でも聡明なあなたはキット立派な判断力に依って物事の核心を掴んで帰って来ると信じて気を静めて居ます。一見したのを....
」より 著者:岡本かの子
し出たなり、左手はぶらんと下って、どちらも小刻みに顫え出した。そして両足は不意に判断力を失った脳の無支配下で、顫える京子の体躯を今迄通りにやっと支え、遁げ込んで....
迷信解」より 著者:井上円了
くあたりたりとも、これを全く易筮の力に帰するはずはない。つまり、その多くは筮者の判断力に帰せなければならぬ。ゆえに、易筮そのものにつきては、「あたるも八卦、当た....
火夫」より 著者:カフカフランツ
によって火夫が要領をえない話でこの人たちを疲れさせ、そのためにこの人たちが明晰な判断力を失ってしまう、ということを狙ったのだ。この人たちの明晰な判断力こそ、何よ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
めますでしょう。それに、たとえ私の彼に対する友情が過剰であろうとも、彼を見る私の判断力にはいささかの不公平もございません。なぜなら彼を私同様知る人は、誰の判断も....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
りも過ぎたりき、他人の詞を聞くに及ばず」と嘆声を発せしめ奉ったほどに強情で、己の判断力に固執した人物であることを考えると、彼は権力と己の芸術心との間に煩悶懊悩し....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
娘が生まれたが、これは丈夫に育って今ではすっかり成人した。娘はしっかりした正しい判断力とともにまたその父親の朗らかな性質を承けている。娘はベートーヴェン作の奏鳴....