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別く
「別く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
んも居ない。江島さんも居ないだろう。佐吉さんの店に毎日集って居た若者達も、今は分
別くさい顔になり、女房を怒鳴ったりなどして居るのだろう。どこを歩いても昔の香が無....
「服装に就いて」より 著者:太宰治
てもらっていたのである。母は私と、もう十年も逢わずにいるので、私がもうこんなに分
別くさい鬚男になっているのに気が附かない様子で、送って来る着物の柄模様は、実に派....
「人間失格」より 著者:太宰治
木がまた自分の眼前に現われました。 「よう! 色魔。おや? これでも、いくらか分
別くさい顔になりやがった。きょうは、高円寺女史からのお使者なんだがね」 と言い....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
「でも雨じゃないですか……?」 貴子は口にあてていたハンカチをはなしながら、分
別くさい調子でゆっくりと言った。顔も体も声も若かったが、さすがにそんな言い方には....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
ルーブルでも気前よく投げ出す人がありますが、その代り犬も上物でなけあね。」 分
別くさい係員は大真面目な顔つきで聴き耳を立てながら、それと同時に、提出された原稿....
「世相」より 著者:織田作之助
男だと思っている内にある夜暗がりの応接間に連れ込まれてみると、子供っぽい石田が分
別くさい校長とは較べものにならぬくらい、女にかけては凄い男であった。石田の細君は....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
あの十両の金魚は大名の若様のおもちゃであろうか、三日養って猫に食われてそれでも格
別くやしそうな顔もせずまたこの店へ来て買うのであろうな、いかさま武蔵野は広い、は....
「やんぬる哉」より 著者:太宰治
の親分だから」なんて、笑いながら言う町会議員などもある。同級生たちはもうみんな分
別くさい顔の親父になって、町会議員やらお百姓さんやら校長先生やらになりすまし、ど....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
うしろで合わせていた。いかにも行いすました宗教家らしく、ただ血色のいい丸顔や、分
別くさくはげかかった後頭部などを見ると、たいへん元気にみえ、なんだか、その首を連....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
かり。」 ――おまえさん恰好の娘さんの一人歩きには丁度いゝ額だね。」 夫人は分
別くさい腕組みをして娘を見下ろした。新吉は夫人に気取られる前に先手に出て娘に言っ....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
通りぬけるような人影に会う。でも、いくらか慣れたせいで、僕にもそれが男か女かの区
別くらいつくようになった。相手を見きわめるようにぬっと来るのは男で、女はたいてい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
せられた。これはほん物の不具者で、身長一尺未満――年齢五十歳前後――のからだに分
別くさい巨大な顔が載っかって、しかも極端にほそい小さな両手には、水掻きのようなも....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
も生も同じ心と結びてし友や違はむ我も依りなむ」(巻十六・三七九七)、「紫草を草と
別く別く伏す鹿の野は異にして心は同じ」(巻十二・三〇九九)等が参考になるだろう。....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ッしゃるホール、わからないでしょうか」 「ええ。それなんですけど」 女の子は分
別くさげに目をふせながら、 「それをききだすのに時間くッちゃッたんですけど」 ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
ない……? その子たち、やみつきになったらどうするの……?」 「兵古帯のくせに分
別くさいこと言うな」 「あんたは分
別くさくなかったわね」 「何やと……?」 「分....