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「別つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
りも迂遠《うと》い母はどうだか、僕はその場で叔母の口から、僕と千代子と永久に手を別つべき談判の第一節を予期していたのである。幸か不幸か、叔母がまだ何も云い出さな....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
来る時、彼れ其栄光の位に坐し、万国の民をその前に集め、羊を牧う者の綿羊と山羊とを別つが如く彼等を別ち云々、 と馬太伝二十五章にあることが路加伝の此所にも簡短に記....
深夜の市長」より 著者:海野十三
字は、僕を非常に驚かせた。 ――一路、司法官としての御成功を祈り、永遠に君と袂を別つ。而して記念のために今は吾れに用なき「深夜の市長」の仮面を君に贈る。黒河内生....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
った方が一番よく判るかも知れないと思う。 志賀氏の作品は、大体において、二つに別つ事が出来る。それは氏が特種な心理や感覚を扱った「剃刀」「児を盗む話」「范の犯....
近時政論考」より 著者:陸羯南
界の常態を知る、その心情を察せずしていたずらにその言論を取り、もって政界の論派を別つはすこぶる迂に似たり、しかりといえども当時に若干の同意者を得て、世道人心に感....
読書法」より 著者:戸坂潤
、にせものと思ったに相違ない位いだ。 ただあそこで吾々とジードとの物の感じ方を別つものは、ジードが専ら文化主義者として一切の現象をながめようとしている点である....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
チャカポコ チャカポコ それはさて置きゾロゾロいなさる 閣老参政その他の役人 分別ついたか 因循姑息《いんじゅんこそく》も時によります 歌舞伎芝居の上使の壱岐さ....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
帝銀事件はとくに智能犯というほどのものではないようだ。 この犯人から特別つよく感じさせられるのはむしろ戦争の匂いである。私は、外地の戦場は知らないのだ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
こっとうひん》に何らの心得なき者が、物品そのものの貴賤《きせん》の程度はさらに分別つかぬが、道具屋《どうぐや》に欺《だま》かされて高価を出せば良品が手に入ると思....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ぬが、彼の仁、活を論じて、自らを失っておる。剣刃上に、殺活を論じ、棒頭上に機宜を別つ。わしと、月丸との、この試合をよく考えてみい。人を殺して、生かす、生かして、....
初往診」より 著者:小酒井不木
眼に見ゆるもの、耳に聞くものが彼を苛立たせた。生憎、細君が留守であったので、憂を別つべき相手はなく、時々門の方をおずおず眺めては、今にも誰かが、息せき切って馳せ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
拶。」―― 蔵前の違棚の前に、二人の唐縮緬友染の蒲団が設けてあったが、私と肩を別つようにして、八郎が階子段下の小間へ入った。大方そこで一拝に及んだのであろう。....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
たが、まったく私にはもう、窈窕も凜々しさもお侠も淑やかさも何もかもが、一切合切区別つかなくなってしまいました。 ともかく二人|揃っているばかりに、辛じて私は理....
東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
前の詩篇の句の如く東西は全然反対の位地にあるものの如く聞ゆれども、そもそも東西を別つ標準は何にあるかと質《ただ》せば、これ実に独断的のものにして、各自の立ってい....
俗臭」より 著者:織田作之助
、伝三郎が念押すと、番頭はその言葉は不穏当だといった。番頭はこの頃男女間の道に分別ついて、千恵造の駆落ちにひそかに同情しているのだ。伝三郎は番頭の言葉をきかなか....