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別れ
「別れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
く二年ばかりしか経たない頃でございました。妻は校長の遠縁のもので、幼い時に両親に
別れてから私の所へ片づくまで、ずっと校長夫婦が娘のように面倒を見てくれた女でござ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
の背中を下りると、叮嚀にまたおじぎをして、
「殿様、私《わたくし》はあなた方に御
別れ申してから、すぐに生駒山《いこまやま》と笠置山《かさぎやま》とへ飛んで行って....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
だ》偶然小えんに遇った。所が遇って話して見ると、小えんはもう二月ほど前に、若槻と
別れたというじゃないか? なぜ
別れたと訊《き》いて見ても、返事らしい返事は何もし....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
いるばかりだった。
「日本《にほん》だね、とにかくこう云う景色は。」
彼は僕と
別れる前にしみじみこんなことを言ったものだった。
三
彼は....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
いた。求馬は勿論喜んだ。が、再び敵打の旅に上るために、楓と当分――あるいは永久に
別れなければならない事を思うと、自然求馬の心は勇まなかった。彼はその日彼女を相手....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
ど、己は袈裟を愛しているだろうか。己と袈裟との間の恋愛は、今と昔との二つの時期に
別れている。己は袈裟がまだ渡に縁づかない以前に、既に袈裟を愛していた。あるいは愛....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《うしろ》へ、歩み寄ったらしいけはいがする。彼女は思わず振り向いた。すると後には
別れた男が、悲しそうな微笑を浮べながら、じっと彼女を見下している。………
「金《....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
しい感情の変化のために、泣き喚《わめ》いていたのである。
彼は永久にこの世界に
別れるのが、たまらなく悲しかった。それから彼をこの世界と
別れさせるようにした、あ....
「死後」より 著者:芥川竜之介
お父さんと一しょにいるの?」
「ああ、この間から。」
「じゃまた。」
僕はSに
別れてから、すぐにその次の横町を曲《まが》った。横町の角の飾《かざ》り窓にはオル....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
軒は一言も加えず、静かに傾聴するばかりだった。その内に船は岸に泊した。船中の客は
別れるのに臨んで姓名を告げるのを例としていた。書生は始めて益軒を知り、この一代の....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
面に黒ぐろと暮れかかっていた。
「じや失敬。」
「さようなら。」
HやNさんに
別れた後《のち》、僕等は格別急ぎもせず、冷びえした渚を引き返した。渚には打ち寄せ....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
迦莫迦しさをも承知した上、「わざと取ってつけたように高く左様なら」と云い合いて、
別れ別れに一方は大路へ、一方は小路へ、姿を下駄音と共に消すのも、満更厭な気ばかり....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
かかるは為悪し早く帰られたがよからん」との言に、「御注意有り難し」と述べて左右に
別れたれど予はなお橋の上を去りやらず。この応答に襟懐俗了せしを憾みたり。巡査はま....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ようなさびしい声もときおり近くの麦の刈株の残った畑から聞えてきた。 小鳥たちは
別れの宴をはっていた。饗宴もたけなわと見えて、羽ばたいたり、さえずったり、ふざけ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
ども、一体どうして息子を探せばいいのか、その見当は皆目つかなかった。それに息子に
別れてから、もう十五年にもなるのである。よしんば、折よく出会うことが出来たとして....