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別人
「別人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に頬《ほお》をぬらしながら、口ばかり動かして、黙っている。太郎は、片目をあげて、
別人を見るように、相手のべそをかいた顔をながめた。
「めぐり会ってみれば、おばば....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
来たな。」
この語《ことば》とともに、八犬伝の著者の皺《しわ》だらけな顔には、
別人のような悦《よろこ》びが輝いた。
十四
茶の間の方では、癇高....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ました。「どうかして下さいまし。」とも申しました。が、私に励まされるまでもなく、
別人のように血相を変えて、必死に梁を擡《もた》げようと致して居りましたから、私は....
「母」より 著者:芥川竜之介
いますね。」
「今年は余計――あら、泣いて居りますわ。」
女は耳を傾けたまま、
別人のような微笑を浮べた。
「ちょいと御免下さいまし。」
しかしその言葉が終ら....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
くなって、やがて御床《おんゆか》の上まで転《ころ》び出ていらっしゃると、たちまち
別人のような嗄《しわが》れた御声で、「あおう、身のうちに火がついたわ。この煙《け....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
《ありがと》う。やっと昨日《きのう》退院しました。」
粟野さんの前に出た保吉は
別人のように慇懃《いんぎん》である。これは少しも虚礼ではない。彼は粟野さんの語学....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
のは、あれほど冷静な学者肌の三浦が、結婚後は近状を報告する手紙の中でも、ほとんど
別人のような快活さを示すようになった事でした。
「その頃の彼の手紙は、今でも私《....
「葱」より 著者:芥川竜之介
待ち遠さま。」
憐むべき田中君は、世にも情無《なさけな》い眼つきをして、まるで
別人でも見るように、じろじろお君さんの顔を眺めた。髪を綺麗にまん中から割って、忘....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たった一度、お松がある別荘番の倅《せがれ》と「お」の字町へ行ったとか聞いた時には
別人のように怒《おこ》ったそうです。これもあるいは幾分か誇張があるかも知れません....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
したきり、容易に口を開こうともしない。
「三右衛門、なぜじゃ?」
治修はいつか
別人のように、威厳のある態度に変っていた。この態度を急変するのは治修の慣用手段《....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
》って蜃気楼じゃないか?」
僕等の前にいる「新時代」は勿論《もちろん》彼等とは
別人だった。が、女の断髪や男の中折帽をかぶった姿は彼等と殆《ほとん》ど変らなかっ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
悲壮な光景に違いなかった。現に指揮官のM大尉なぞは、この隊の先頭に立った時から、
別人のように口数《くちかず》の少い、沈んだ顔色《かおいろ》をしているのだった。が....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
たなかけ》の刀に手のかかった事も、度々ある。そう云う時の彼はほとんど誰の眼にも、
別人のようになってしまう。ふだん黄いろく肉の落ちた顔が、どこと云う事なく痙攣《け....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、しばらくは声を失ったように男の顔を見つめつづけた。男は髭《ひげ》を伸ばした上、
別人のように窶《やつ》れている。が、彼女を見ている瞳《ひとみ》は確かに待ちに待っ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ストーン。化学者。ファラデーの伝記の著者。ただし序文にいうは英国有名の政治家にて
別人なり。 クラッパム(地)Clapham. クエーカー Quaker. 耶蘇教....