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別品
「別品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
これだけ? 五十銭!」 これを聞ける乗り合いは、さなきだに、何者なるか、怪しき
別品と目を着けたりしに、今この散財《きれはなれ》の婦女子《おんな》に似気なきより....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
帰朝する親たちを送って来て、汽車の窓から、たしない小遣いの中で買ったかの女への送
別品のハンケチを、汽車の窓に泣き伏しているかの女の手へ持ち添えて、顔も上げ得ず男....
「足迹」より 著者:徳田秋声
びりした、愛嬌のある若い助手の顔を、下からまじまじ眺めていた。 「この助手さんは
別品だねえ――。」と言って、狂気じみた笑い方をした。 お庄も看護婦も、後の方で....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
せん」 「そう、今日ネ、団子坂でお眼に懸ッたの。年紀《とし》は十六七でネ、随分|
別品《べっぴん》は……
別品だッたけれども、束髪の癖にヘゲル程|白粉《おしろい》を....
「火星探険」より 著者:海野十三
たきび》をして玉蜀黍《とうもろこし》を焼いてたべたり、仲間から貰ったたくさんの餞
別品をとりだして喜んだり笑ったりした。 その餞
別品の中から二つ三つ奇抜なものを....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
、今御覧なすったじゃ有りませんか?」 「後向《うしろむ》きで分らなかった。」 「
別品《べっぴん》ですよ」、といって下女は莞爾々々《にこにこ》している。 「丸顔か....
「襟」より 著者:ディモフオシップ
時は新しく買った分の襟を一つしていた。リッシュに這入ったとき、大きな帽子を被った
別品さんが、おれの事を「あなたロシアの侯爵でしょう」と云って、「あなたにお目に掛....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くはっきりとした色彩を伴っています。
鴎外の、「妻への手紙」というのをよんで、
別品《べっぴん》だの何だのという古風な表現をよんだものだから、きっとそんな夢で人....
「郊外」より 著者:国木田独歩
アいたいた八歳ばかしの。』何心なく江藤は答える。 『そいつは惜しかった十六、七で
別品でモデルになりそうだと来ると小説だッたッけ、』と言って『ウフフフ』と笑った。....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
ぎ場《ば》で、新富町の寄席《よせ》、内川《うちかわ》亭にいる娘が泳いでいたのを、
別品《べっぴん》女中を連れて游《およ》ぎに行くと出ている。 それも無理のないの....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
ちぢれっ毛の前がみをつきつけられつけていらア。 女「だけれどこうしていてもそんな
別品がきちゃア気が気じゃアないワ」とすこしわらいながら。 ほんとに姉女房は心配....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
人数の一隊だったが、色々さまざまな連中がどっさりいる中で、婦人班にすこぶる附きの
別品が二人いた。一人はヤロスラーヴリから来たフィオーナという兵隊の女房で、その大....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
喋々喃々《ちょうちょうなんなん》するは、何を談じ何を笑い、何を問い何を答うるや。
別品《べっぴん》といい色男といい、愉快といい失策というが如き、様々の怪語醜言を交....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
よ。
一老女(良家の娘達に。)
やれやれ。えらいおめかしが出来ましたな。
別品揃だ。
誰だって迷わずにはいられますまい。
おや。そんなにつんけんなさらぬが....
「追放されて」より 著者:神西清
きくなったのよ。もう可愛くって眼の中へでも入れたい始末よ。まったくいい娘さんさ。
別品さんで眉毛が黒くって、はきはきして。日曜には欠かさずグィリノの教会へ二人で出....