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別天地
「別天地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別天地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ックなものを求める本能があるのではあるまいかなど考えた。あんまり突如として入った
別天地に私は草臥《くたび》れるのも忘れて、ただ、せっせと主人について歩いて行くう....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ツ一ツ嘴《くちばし》を向け、頭《かしら》を擡《もた》げて、この一落《いちらく》の
別天地、親仁《おやじ》を下手《しもて》に控え、馬に面して彳《たたず》んだ月下の美....
「鮨」より 著者:岡本かの子
東京の下町と山の手の境い目といったような、ひどく坂や崖の多い街がある。 表通りの繁華から折れ曲って来たものには、
別天地の感じを与える。 つまり表通りや新道路の繁華な刺戟に疲れた人々が、時々、....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
旅舎もある。夕照りうららかな四囲の若葉をその水面に写し、湖心寂然として人世以外に
別天地の意味を湛えている。 この小湖には俗な名がついている、俗な名を言えば清地....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
やわらかに伸びて、さながら毛氈を敷いたようにも見える。あたりは清く静けく、一種の
別天地である。 路を東にとって石門にむかうと、婦女数十人、いずれも鮮麗の衣服を....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ちは、みんな顔色をかえた。 「すごいところがあったもんだ」 「地球の上に、こんな
別天地《べってんち》があろうとは、夢にも思わなかった」 「これは、地獄の入口かも....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
二人の閏へ押寄せた。 襖をどんと突明けると、床の間の白玉椿、怪しき明星のごとき
別天地に、こは思いも掛けず、二人の姿は、綾の帳にも蔽われず、指貫やなど、烏帽子の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
深い入江を※り、二つ三つ松原をくぐりますと、そこは欝葱たる森蔭の小じんまりとせる
別天地、どうやら昔私が隠れていた浜磯の景色に似て、更に一｜層理想化したような趣が....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
感心したと見えて、ファラデーに「俗人の浅墓な生活や日日の事に齷齪するのとは全くの
別天地で、こんな所で研究をしておられたら、どんなに幸福でしょう」と言った。ところ....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
のなら幾らでも描いてみたい希望をもっています。 一たい能楽というものは、全くの
別天地です。殊にごみごみした現代などでは、劃然と飛びはなれた夢幻の境地であり、ま....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
る。秋のことであったから花はないが、桃の咲く時分だったらさしずめ武陵桃源といった
別天地はこれであろうとおもわれた。 それから船をすすめてゆく。藪があったり、な....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
の鑑賞にも及んだもので、バターの国土の民をして、紅茶の煙のかなたに風炉釜の煮えの
別天地のあることを、一通り合点行かせる書物としては、おそらくこれを極致とすべきか....
「西航日録」より 著者:井上円了
船これに出入し、万国の人ここに輻湊し、その盛況これを十四年前に比するに、ほとんど
別天地の観あり。その地赤道に接すといえども、常に濃陰日光をとざし、ときに驟雨暑気....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
することとなせり。 本書刊行の目的は、わが同胞をして、今後ますます進んで南球の
別天地に活動せしめんとする意にほかならず。今日の青年は「埋」（骨を埋めるのはなに....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
流社会の有閑紳士、奇を好む男女が、肉の取引、恋の市場に惹き付けられて、集って来る
別天地なのです。 倶楽部の賑い出すのは夜の十時頃からです。支那人のボーイが各卓....