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「別宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
て行くこの岩内の小さな町にも、二三百万円の富を祖先から受け嗣いで、小樽には立派な別宅を構えてそこに妾を住まわせ、自分は東京のある高等な学校をともかくも卒業して、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
う山里の深さにも思いをはせた。半蔵は水無神社から一町ほど隔てたところにある民家の別宅を借りうけ、食事や洗濯の世話などしてくれる家族の隣りに住み、池を前に、違い棚....
竹青」より 著者:田中貢太郎
お宅には奥さんがおありでしょう、私をどうなさるのです、それより私を此所に置いて、別宅にしたほうがよくはありませんか」 魚は道が遠いのでとても時どきはこられない....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を立てて、こりゃ死霊の祟がある。この鬼に負けてはならぬぞ。この方から逆寄せして、別宅のその産屋へ、守刀を真先に露払いで乗込めさ、と古袴の股立ちを取って、突立上り....
阿繊」より 著者:田中貢太郎
とを話した。宿の主人は、 「そりゃお客さん、何かの間違いでしょう。東隣は私の兄の別宅で、三年ほど前に貸してあった者が、時とすると怪しいことがあったので、引移して....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
がない。問題は、伝統や貫禄ではなく、実質だ。 伏見に部屋を見つけるまで、隠岐の別宅に三週間ぐらい泊っていたが、隠岐の別宅は嵯峨にあって、京都の空は晴れていても....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
であった。そのとき、彼女の一家は、祖父をはじめ父母兄弟に至るまで、そっくり東京の別宅へ移住したのである。それは田舎住いが子女の教育に不適当であったからだ。族長と....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
もやる。九月上旬からかかって十二月の半ばに八畳と四畳半と三畳に台所をつけた小さな別宅が完成した。一人で仕上げたにしてはたしかに見事な出来。ところが台所の板をあげ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
てきた。女中のお加久という老婆の妹の娘お染というのが彼の二号で、すごいほど豪奢な別宅を構えていたことが分った。お染の伯母のお加久が重二郎の本宅の女中となって妾宅....
光は影を」より 著者:岸田国士
る。時間が不定なのは、暇があつて気が向いた時というのだから、その日は、半日、その別宅で待機しているという条件だ。それで一ヵ月交通費は別として、一万五千、ひと部屋....
地上」より 著者:島田清次郎
の消息は時折ないではなかったが、東京日本橋の繁華な街の裏通りに、土蔵付きの小さな別宅を貰って、そこに婆やと小娘とに傅かれて住んでいること、天野が隔日に泊りに来る....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
らの反響なし――老いたる女役者 菫坡老人と桜痴居士 驚くべき記憶力――桜痴居士の別宅――竹葉のうなぎ――ペエペエ役者――行儀の好い人 川上のオッペケ節 壮士芝居....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
言いますから、「しかしその人はどこに居るか」と言ったところが「ナムサイリン(兄の別宅)というところに往って居る」という返事です。そこで余儀なくナムサイリンへ尋ね....
挿話」より 著者:徳田秋声
たことのあるところで、川添いの閑静なところにあったそのころの家も、今はある料亭の別宅になっていたけれど、築地の外まで枝を蔓らしている三抱えもあるような梅の老木は....
澪標」より 著者:外村繁
てくれる。そんな鄙びた振舞いがすっかり私を愉しくさせた。 友人は私を更に高原の別宅に伴い、そこで起居することになる。朝露、散歩、夕立、涼風、夕映。私は心身とも....