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「別心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別心の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
ようなことになったのです」 しかしその時の煙客翁は、こういう主人の弁解にも、格別心は止めなかったそうです。それは何も秋山図に、見惚《みと》れていたばかりではあ....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
舫《もや》っている気持。 それはただそれだけの眺めであった。どこを取り立てて特別心を惹《ひ》くようなところはなかった。それでいて変に心が惹かれた。 なにかあ....
百物語」より 著者:森鴎外
《うわさばなし》で耳に入ったこともあったが、僕はそんな事に興味を感じないので、格別心に留めずにしまった。しかしこの人が何かの原因から煩悶《はんもん》した人、若く....
僕の昔」より 著者:夏目漱石
つがある。それから予備門へはいった。山田|美妙《びみょう》斎とは同級だったが、格別心やすうもしなかった。正岡とはその時分から友人になった。いっしょに俳句もやった....
石狩川」より 著者:本庄陸男
らもはなはだ表情に乏しい。彼らの時代がそういうふうに訓練していた。苦楽や喜憂に特別心をみだすほどのことはないのだ。ただその芯《しん》には、つめたい鉄の棒みたいな....
十二支考」より 著者:南方熊楠
|河鍋暁斎《かわなべきょうさい》がキヨソネとかいうイタリア人に、絵画と写真との区別心得を示した物を読んだ中にも、実例を出して、似た事を説きあったと憶《おぼ》える....
文学の大陸的性格について」より 著者:宮本百合子
としてもっている限界について云われた理由もそこに在ったのだとわかる。今度読んで特別心に刻まれたのは、それらのドライサアの作家としての特質が、アメリカという大陸の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ですもの。あのことは、形にあらわして書いて見れば、抑※《そもそも》は、あなたへ特別心づけて本を送っているとか、便りをしているとか聞かされているので、それにC子さ....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
で、呟いた。 (たしかに、今まで見たどの女性より美しい) しかし、そのために格別心を乱されるようなことはなかったので、沈み切った声で、もう一度繰り返した。 「....
二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
前いう如く天稟的だし当人も非常に好きなものだから技術は日に増し上達する。自分も特別心懸けて教えていたが、その時分は最早自分で大分門弟をとって立派にかんばんをかけ....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
た先駆者であったが、元来露西亜の思想なるものは極めてオーソドックスな官僚的階級差別心と頗る放縦なユートピヤ的空想とあるのみで、近代自由思想の糧とすべきものに乏し....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
もよくないもので、余程苦しく感じました。だが嫌な事もある代りにまた天然の景色は格別心を慰めたです。それはついチベット暦の正月前の事でしたが、家の人達は正月が来る....
民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
。一方は「無想」に生れ、一方は「有想」に発し、前者は「平常心」を示し、後者は「分別心」を語ります。 あるいはこれ等の対比を、実用を旨としてできる「工藝」と、美....