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「別様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
という風情《ふぜい》、この方は姿も窶《やつ》れ容《かたち》も細って、流るる音さえ別様に、泣くか、怨《うら》むかとも思われるが、あわれにも優しい女滝《めだき》じゃ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、丸部さん、貴方にはおさらばです、爾して権田さん貴方には又お目に掛ります」両人へ別様に挨拶して、未だ定まり兼ねる足を蹈みしめ早や此の室を立ち去ろうとする様子であ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
質を新たにするにひとしく、わずかに一紙を隔てて死と相見たるの経験は、武男が記憶を別様に新たならしめたり。激戦、及びその前後に相ついで起こりし異常の事と異常の感は....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ては、この猪太郎の身の上について描写の筆を進めると共に、全然別種の方面に当たって別様の事件を湧き起こさせ、波瀾重畳幾変転、わが親愛なる読者をして手に汗を握らしめ....
連環記」より 著者:幸田露伴
い。 この保胤に対しては親王も他の藻絵をのみ事とする詞客に対するとはおのずから別様の待遇をなされたであろうが、それでも詩文の道にかけては御尋ねの出るのは自然の....
死者の書」より 著者:折口信夫
来たのである。 南家の郎女の幸福な噂が、春風に乗って来たのは、次の春である。姫は別様の心躍りを、一月も前から感じて居た。そうして、日を数り初めて、ちょうど、今日....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
大手御門前」と割註《わりちゅう》がしてある。 「はてな――」 田山白雲は、全く別様な頭の働きを、この異様な額面の絵と文字との上に向けて、一思案なからざるを得ま....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
まりが悪かった。彼は兄の冷淡な態度を二人の年齢、ことに教育の相違に帰したが、また別様にとれないでもなかった。それは、イワンのこうした好奇心や同情の欠乏は、ことに....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
で、開発の精神を社会に及ぼそうとした。自然を生活するというのである。 かれには別様な一面があった。そこでは情意の発作的動揺が見られる。唐突な言動があの不断の平....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
低ければ、肉付きもずっと劣ってはいたが、そのためにかえって優しくも見えれば、また別様に美しくも見えた。お菊の髪の簪が、日の光を吸って光っている。そのすぐ横手にあ....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
暮れた。四人はめくらめっぽうにすすんだ。と風のなかに遠くほえるようないんいんたる別様のひびきが耳をうつ。それは森をへだてておこるようだ。 「待て!」 と、ドノ....
書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
するが堅牢の点は前者にはるかに劣るものである。その連結法の差異の外に、も一つ背の別様を述べる必要がある。それは背の形と、背が浮いているか、密着しているかである。....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
を開放するための鎮火や瓦斯の排出工合を検査している時に、殺されております。これを別様に考えると、仕事の邪魔をされたわけであり、あなたが発火坑を開放して少しも早く....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
の作とを比較する時、吾人はまづ異《ことな》れるこの二種の芸術を鑑賞せんには全然|別様《べつよう》の態度を取らざるべからざる事に心付くべし。歌麿全盛の寛政年代はこ....
日和下駄」より 著者:永井荷風
いがする。夜になって此方は真暗な路地裏から表通の燈火を見るが如きはいわずともまた別様《べつよう》の興趣がある。川添いの町の路地は折々|忍返《しのびがえ》しをつけ....