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別行
「別行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別行の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ひびき》、垂楊《すいよう》惹恨《うらみをひいて》新《あらたなり》」 と甲野さんは
別行に十字書いたが、気に入らぬと見えて、すぐさま棒を引いた。あとは普通の文章にな....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
対し、邦夷は短かく「委細承知」と返して来た。「万事一任、何事も時のさだめ」そして
別行に書き足して、「短慮|被成《なされ》まじきこと」――呼吸《いき》せき切って駈....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
れは依然としてT子に対する愛着と、この研究に関する未練を棄て得なかったMが、Wと
別行動を執って、T子以外に絵巻物を隠している者がいはしまいかと、色々探索している....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
頭山満曰く、 「杉山みたような頭の人間が又と二人居るものでない。彼奴は玄洋社と
別行動を執って来た人間じゃが、この間久し振りに合うた時には俺の事を頭山先生と云い....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
事とはしないで、お化け鞄と猫又《ねこまた》に興味を持つ帆村荘六を援助するための特
別行動である――と、彼の部下二名に説明してあった。 帆村は、お化け鞄については....
「火薬船」より 著者:海野十三
ふりはらって、ぐんぐん前へ出ていく大胆さ。そこで彼は、さっきからこの有象無象とは
別行動をとり、ウィンチにもたれて、こっちをじろじろしていた一人の、たくましい水夫....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
だったのが、第一回の改正では、同一条項の下に、国体の変革と私有財産制度の否定とを
別行に直したが今度の改正で、それが第三条以下と第八条以下とに別条にすることになっ....
「父の手帳」より 著者:宮本百合子
で、 (1) 大学図書館ヲ公開スル事 (2) 東洋美術発行ノ事 とあり、
別行に、これは鉛筆で「電燈タングステン燈よろし」続けて、「木彫専門」「襖紙一式」....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
泉を感じさせられているだけである。 ところが力は分派して、もっと別の宙天から、
別行動を起して、彼にかかってくるものがある。それはホラブンの絶え間なしにつぶやい....
「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」より 著者:前田河広一郎
い声であった。冬もまぢかなのに、テニス用の運動靴をはいている。 木元は木元で、
別行動をとっていた。彼はズボンのポケットから、やにわにウイスキーの罎をぬき出すと....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
前因幡守 出羽留守所 奥羽両国に対しては鎌倉の武威をもってしても、実際特
別行政の必要があったのだ。しかしてそれは「夷之地」なるがためであった。もって当時....
「法然行伝」より 著者:中里介山
終という時にもう一度上人にお目にかかり度いということを申越して来たが、法然は丁度
別行の時であったから、手紙で細々《こまごま》と書いてやった。その手紙が残っている....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
旨を言いだしていた。 「喪に服して、今日から七日の間、尊氏は酒、魚鳥を口にせず、
別行(精進潔斎)を執ろうとおもう。そしてあすは内山にて、亡き妙恵を弔うであろう。....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ままやったことだった。わざと挿話的随想へ筆をそらして、にわかに気がついたように、
別行から―― 閑話休題 と、本文に入ってゆくという一つの小説作法なのである。....