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別間
「別間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
れず妾ともつかず母|諸共《もろとも》に此《こゝ》に引取られて居ります。兄蟠龍軒は
別間《べつま》に居りましたが、夕方になりましたから庭へ水を打って、涼んで居ります....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
にひと目逢って密々に申し入れたい大切の用事があるから、お客の邪魔にならないように
別間でしばらくお逢いを願いたいと押し返して言った。成景はなんとかして主人に逢わせ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
藤様は狂言の工夫に屈託して、酒盛の席を中座され、そなたたちは、追々酔いつぶれて、
別間へ退かれた後のことじゃのう。藤様が、蒼い顔して、息を切らせながら、酒宴の席へ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
から、右門は少女のいじらしい心根をおしはかって、とっさに目まぜでしかっておくと、
別間に伝六をいざないながら、その報告を聞きました。 それによると、お静への打擲....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か」 「少し御相談がありますから、大番頭さんを呼んでください」 与兵衛と幸八を
別間へ呼び込んで、半七は自分の意見を述べた。自分はこれまで縊死者の検視にもしばし....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
の間から飛んできて父を抑える。お千代はようやく父をなだめ、母はおとよを引き立てて
別間へ連れこむ。この場の騒ぎはひとまず済んだが、話はこのまま済むべきではない。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じさんとの前で白状した。 「このお正月に浄円寺に御参詣にまいりますと、和尚さまは
別間でいろいろお話のあった末に、わたくしの顔をつくづく御覧になりまして、しきりに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
であります。 本陣へ着いてまもなく、守って来たほかの一挺の駕籠の人を隠すように
別間へ置き、自分はその次の一室を占めました。申すまでもなく、その隠すように守護さ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に、何事――? と思ったのです。 「ナニ、安積の爺が」 しばらく考えて、 「
別間へ通しておけ」 そして、正面の信濃守へ向かって、 「私用で使いの者がまいっ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
けようとして首をぐるりと廻した。だが家政婦の姿はなかった。既に彼女は警官によって
別間へ連れ去られた後であった。 「クラブを午前一時半に出たと仰有ったが、それを立....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
じゃ、拙者も当分この家へ居候《いそうろう》をするつもりだ」 そこでお松は兵馬を
別間へ案内して、それから一別以来のことを洩《も》れなく語って、泣いたり笑ったりす....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
昨夜のまま寝ていたのでありまする。失礼な起しましょうと口々に騒ぐを制して、朝餉も
別間において認め、お前さん方が何も恐がる程の事はないのだから、大勢側に附いて看病....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
せいで下さいよ。月一万ぽっちじゃくらせませんよ」 「そりゃそうだ。だが浮気の話と
別間題。俺の浮気は二時間で済むが、お前のは三日だからね」 蓬莱和子とその夫建介....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。 そうするうちに、町与力の一行がやって来た。 検屍が済んでから、ひとりずつ
別間へ呼ばれて取調べを受けたが、さっきも言ったように、五人ながら円卓から離れなか....
「片隅の幸福」より 著者:種田山頭火
いるではないか。 彼が我儘気儘に寝転んだのはどこであったろう。居候していた家の
別間か、道中の安宿か、それとも途上の樹蔭か、彼はそこでしみじみ人間の幸不幸運不運....