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別院
「別院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別院の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ざいましたろう。ちょうど暑中休暇になった当座で、ある夕方私が散歩かたがた、本願寺
別院《ほんがんじべついん》の裏手にある本屋の店先を覗いて見ますと、その頃評判の高....
「荷花公主」より 著者:田中貢太郎
いた彭は、そんな楼閣を見たことがなかったので驚いた。 「公主のいらっしゃる所は、
別院でございます、私がまいりますから、そっといらっしてくださいまし」 彭はうな....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
は内寝から出てきて孔生に、 「おめでとう、ととのいましたよ」 と言った。そこで
別院の掃除をして、孔生の婚礼の式をあげた。その夜は鼓を打ち笛を吹いて音楽を奏した....
「黴」より 著者:徳田秋声
」 笹村は七、八つの時分に、母親につれられて、まだ夜のあけぬうちから、本願寺の
別院の大きな門の扉の外に集まった群集のなかに交って、寒い空の星影に戦いていたこと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きでもしたもののように、ふらりふらりと台所門の方から現われて来たのです。
長浜
別院の「お花さん狐」といえば、知る人はよく知っている。ほとんど全国的に知る人と知....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
した方へ、新高野山大安楽寺《こうぼうさま》と身延山久遠寺《にちれんさま》と、村雲
別院《むらくもさま》と、円光大師寺《えんこうだいしさま》の四ツの寺院《おてら》を....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
を再び戦野に駈り立てるに忍びないのである。余はサムライがイヤになった。 五智の
別院をくぐって出ると、砂丘の上に旅館があった。 「いつでも風呂がわいてますぜ。女....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
、君とは、父法主《ほっす》でも、兄法主でもない人を指している。 築地《つきじ》
別院に遺骸《いがい》が安置され、お葬儀の前に、名残《なご》りをおしむものに、芳貌....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
この黒島へ出たのです、穴水から。間に梨の木坂の絶所を越えて門前村、総持寺(現今、
別院)を通って黒島へ、――それから今言いました外浜を逆に辿って、――一の宮へ詣っ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の店のも声を揃えて、 「活きとるぞ、活きとるぞウ。」 この魚市場に近い、本願寺
別院―末寺と称える大道場へ、山から、里から、泊りがけに参詣する爺婆が、また土産に....
「赤い土の壺」より 著者:田中貢太郎
間には黒い大きな瓦屋根が微に黒く見えていた。それは日蓮宗|法国寺に属する法華寺の
別院であった。他の二人の眼もちらとそれに往った。 本流から岐れた一条の流れが斜....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
情は複雑で、一がいには、言いきれない。 かかる中を、天皇のお身柄は、南六波羅の
別院の一ト棟で、見るからに怪しげな板屋のうちに押し籠められた。 ここも変った。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いたのである。正成はのめるように足を早めだしたのだった。 すると、もう一|棟の
別院の内から、あたまに繃帯した者やら、樽のような脚をして、やっと歩けるようなのが....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
きた雑人から老幼男女まで群れ立って、どれも狂喜の顔をくずし合っていた。わけても、
別院の病棟から、ころげるように走り出てきた八尾ノ新助、鷺十郎、矢尾常正らの重傷者....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
に、心配おしでない。大内|不伝様は輪王寺の宮の御家来だから、その不伝様に頼んで、
別院のどこかへ匿ってもらえば、町奉行でも寺社奉行でも、手を入れることはできやしな....