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「別離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別離の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
もを山の方に捧げ、ひょこひょこひょこと三つお叩頭《じぎ》をして、置いて帰った。愛別離苦の悲しみと偉大なものに生命を賭ける壮烈な想いとで翁の腸は一ねじり捩れた。こ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
れ、もっと、」 と進ませ、肩を聳かして屹と見て、 「さあ、一ツ遣ろう。どうだ、別離の杯にするか。」 「…………」 「それとも婦を思切るか。芳、酌いでやれ、おい....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
云ってもいい位に、朽ちながら残っていた。それが今度の震災と共に、東京の人と悲しい別離をつげて、架け橋はまったく断えてしまったらしい。 おなじ東京の名をよぶにも....
春昼」より 著者:泉鏡花
くらいありがたい事はありますまい。恋は叶う方が可さそうなもんですが、そうすると愛別離苦です。 唯死ぬほど惚れるというのが、金を溜めるより難いんでしょう。」 「....
大脳手術」より 著者:海野十三
子さんがそれを知ったら、どんなに嘆くと思う。君達の間に、きっと罅が入るぞ、それも別離の致命傷の罅が……」 「そんなことが有ってたまるか」 「大いに有りさ。考えて....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
る身なるに、月の如くその顔は一片の雲に蔽われて晴るることなし。これ母親の死を悲み別離に泣きし涙の今なお双頬に懸れるを光陰の手も拭い去るあたわざるなりけり。 読....
」より 著者:池谷信三郎
れてくると、不思議な哀調が彼の心の奥底に触れるのだった。ことに橋を渡って行くあの別離の時に。 ――このマズルカには悲しい想い出があるのよ。といつかシイカが彼を憂....
星女郎」より 著者:泉鏡花
「別に、鍵屋ならばというのじゃありませんが。これから越します。」 と云って、別離の会釈に頭を下げたが、そこに根を生して、傍目も触らず、黙っている先達に、気を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
とりさびしくお不在を預かって居られます。そんなところが、あのお伽噺のつらい夫婦の別離という趣向になったのでございましょう……。』 そう言って玉依姫には心持ちお....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
に燃えるゼラニュウムの花に今さら胸深く羞恥の情を掻き立てられ、それにイベットとの別離の悲しみも心に強く交り合った。 時計が十時を打った。すると女は突然あらあら....
軽女」より 著者:上村松園
の雄々しい態度。 かなしみの中にも、それを露わに言わないで琴歌にたくして、その別離の情と、壮行を祝う心とを内蔵助に送ったお軽こそ、わたくしの好きな女性の型の一....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
後の舞台であった。かれは明くる三十六年の二月十八日、六十歳を以てわが劇界と永久の別離を告げた。 わたしはかなり感傷的の心持で菊五郎の死を語った。さらに団十郎の....
島原の夢」より 著者:岡本綺堂
いってもいい位に、朽ちながら残っていた。それが今度の震災と共に、東京の人と悲しい別離をつげて、かけ橋はまったく断えてしまったらしい。 おなじ東京の名をよぶにも....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。遠からず我子に嫁を迎えて、自分は隠居する意の親であった。 この父と子と突然に別離を告げたのである。それも尋常一様の別離でない。父は夢のように姿を隠して、夢の....
古事記」より 著者:太安万侶
げるのです。 トヨタマ姫 ――前の説話の續きで、男が禁止を破ることによつて、別離になることを語る。この種の説話の常型である。―― ここに海神の女、トヨ....