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「別館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別館の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間灰」より 著者:海野十三
博士と、青谷二郎という青年技師と、それから二人の門衛だけになった。その外に、構内別館――そこは赤沢博士の住居になっていた――に博士夫人|珠江子という、博士とは父....
蠅男」より 著者:海野十三
、もうじっとしていられなかった。楢平をプールに残しておいて、彼はその砂風呂のある別館の方へ手拭片手にノコノコと歩いていった。 なるほど別館建てのこの砂風呂は、....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
云いますよりも、いっそ恐怖とでも申しましょうか……こう、ひどく困った風であちらの別館の方の船室の書斎へ籠りまして、暫く悶えてでもいたようでございましたが、恰度心....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
諏訪家では態々人を出し、国境まで迎えさせたが、まず休息というところから城内新築の別館へ丁寧に葉之助を招待た。 翌日が正式の会見日である。 その夜諏訪から重役....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
いた青い珊瑚珠のように見えて、その中から、瑪瑙の桟に似て、長く水面を遥に渡るのは別館の長廊下で、棟に欄干を繞した月の色と、露の光をうけるための台のような建ものが....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
たく山家はのん気だ。つい目と鼻のさきには、化粧煉瓦で、露台と言うのが建っている。別館、あるいは新築と称して、湯宿一軒に西洋づくりの一部は、なくてはならないように....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
京中の宿のためにマゴコロをこめ善美をこらして用意したものであった。二人の女はその別館に目をとめると、 「じゃア私たちは邪魔にならないように、あっちへ泊めてもらい....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ちょっとでよいから、のぞかせてよ。風守さまのお部屋を」 「ダメ。お部屋どころか、別館の近くへ立寄ってもいけないのよ」 すると一枝はあざわらって、 「そうでしょ....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
まって三国を越して越後境いへ!」 主屋と離れ、崖の中腹に、懸け作りになっている別館が一棟、桜や椿や朴の木に囲まれ、寂然として立っていた。主屋と別館とをつないで....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
げられたままで置かれてあったが、いかさま見ればその面に、大門、玄関、客間、寝室、別館、大書院、亭、廻廊、控えの間、宿直の間、廐舎、婢女の間、家士たちの溜り、調理....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
の終るところで、九時半ごろからもみはじめた。 食事は本邸だが大川さんの寝るのは別館で本館にくらべればよほど小ヂンマリした洋館であった。乃田といえば昔は大金持だ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
入する機会が多かった。 またわれわれ文士が温泉なぞへ仕事に行くと、こんど新しい別館ができましたなぞと云って案内されるのがたいがいそうであるし、雑誌社や新聞社が....
印象」より 著者:小酒井不木
、良人は私が床に就きますと、それをよいこと幸にして、こうして、私を本邸から離れた別館に移して、早く死ねかしの態度を取り始めました。そこで私は何とかして、もっと、....
西航日録」より 著者:井上円了
入津。哲学館得業生潮田玄乗氏来訪あり。翌十七日午前上陸、県知事服部一三君および特別館賓伊藤長次郎氏を訪問す。午後伊藤氏、余を送りて本船に至る。当夜四面雲晴れ、明....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
でした。 夕方の人気が少なくなったのを見計らって、そっと後に従いて歩きました。別館には殊に人が少のうございました。智恵子が選手の立像の前に立って、その男性的な....