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利かせる
「利かせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利かせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ているなら、おれの方からもっと云って聞かしてやろうか。だが、おれに口をきかせれば
利かせるほど、貴様の罪が重くなるのだから、その積りでいろ。それともここらで素直に....
「画室の言葉」より 著者:藤島武二
界一になるためにはやはりそれだけの実力を持たなければならぬ。われわれはその押しを
利かせるだけの実力を、すべからくわれわれ自身の手で把握しなければならないのである....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
ぐに溶けて、飲んだ人を一時間の後に殺す支那の丸薬や、モルヒネをきっかり三時間後に
利かせるように包むカプセルや、遠乗りの時に相手の馬にそっと舐めさせておいて、きっ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ョリーさんという仏蘭西人が、日本人以上に日本語がよくわかる上に、日本人以上に粋を
利かせる人だったので助かった代表二人の喜びと安心は非常なものがあったという。 ....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
し湯を沸かす。生きた猿や馬を曳き出す。風や浪の音。鳥や虫の声。汽車の音まで写実を
利かせる。又、斬られると血を流し、死にかけると青い粉を顔に塗るなど、数えれば数限....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
利かない。蜀山人などは江戸ッ子がって、ワサビのように利かしたつもりだろうが、その
利かせるつもりが、鼻についていけない。 本当の諷刺や、皮肉は、自然にして、温雅....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
たのだけれ共山田の家で消えて仕舞った様な気がしてたまらなかった。 他の人に口を
利かせるなとか、事を荒だてるには及ばないとか云うのは、只此方の為にばかりではない....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
少なくなるかも知れないが、その代り、ほかの嫌な奴が出て来るだろう。そんな奴が幅を
利かせるだろう。日本は不思議なところだ。善良な人々と、邪悪な人々と、両極端に別れ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
中英光はムチャクチャで、催眠剤を、はじめから、ねむるためではなく、酒の酔いを早く
利かせるために用いていた。この男の苦心は察するに余りがある。あれぐらいの大酒飲み....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
と、首をすくめて、 「なに、いや、そのう、銀座でこれをやっていたんでね。」と左を
利かせる。あくまでも飄々としていたものだ。 「こりゃああぶないぜ、吉植君、これか....