利く[語句情報] »
利く
「利く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
十 断念《あきら》めかねて、祖母《としより》が何か二ツ三ツ口を
利くと、挙句《あげく》の果《はて》が、 「老耄婆《もうろくばばあ》め、帰れ。」 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ポカと来たし、佳い魚がなくッて困るッて言いなさる、廻ってお上げ、とお前さんが口を
利くから、チョッ蔦ちゃんの言うこッた。 脛を達引け、と二三度行ったわ。何じゃね....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
法衣など絡おうなら、ずぶ濡の提灯じゃ、戸惑をした※の魚じゃなどと申そう。圧も石も
利く事ではない。(細く丈長き鉄の錨を倒にして携えたる杖を、軽く突直す。) いや、....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
せん、やむを得ず洋髪なのよ。」 「おとなしくふっくりしてる癖に、時々ああいう口を
利くんですからね。――吃驚させられる事があるんです。――いつかも修善寺の温泉宿で....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ません。実はまるで衣類がない。――これが寒中だと、とうの昔凍え死んで、こんな口を
利くものは、貴方がたの前に消えてしまっていたんでしょうね。 男はまだしも、婦も....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、底を一つ温めよう、遣ったり! ほっ、」 と言って、目を擦って面を背けた。 「
利く、
利く。……恐しい
利く唐辛子だ。こう、親方の前だがね、ついこないだもこの手を....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
張替えたが、火事には人先に持って遁げる何十年|以来の古馴染だ。 馴染がいに口を
利くなよ、私が呼んでも口を
利くなよ。はて、何に映る顔だ知らん。……口を
利くな、口....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
輩だったが、色の白い、指の細く美しい人で、ひどく権高な、その癖|婦のように、口を
利くのが優しかった。……細君は、赭ら顔、横ぶとりの肩の広い大円髷。眦が下って、脂....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ていた。 宵から、銀座裏の、腰掛ではあるが、生灘をはかる、料理が安くて、庖丁の
利く、小皿盛の店で、十二三人、気の置けない会合があって、狭い卓子を囲んだから、端....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
つけがましい申分ではありますが、心はおなじ畜生でも、いくらか人間の顔に似た、口を
利く、手足のある、廉平の方が可いですか。」 口へ出すとよりは声をのんで、 「貴....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
としては、全然そう言った厭らしい祈願にはかかり合わないことにして居ります。呪咀が
利く神は、あれは又別で、正しいものではないのでございます。話の種子としては或はそ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
た。杜子春は早速その問に答えようとしましたが、ふと又思い出したのは、「決して口を
利くな」という鉄冠子の戒めの言葉です。そこで唯|頭を垂れたまま、唖のように黙って....
「狂女」より 著者:秋田滋
心が然らしめるところだという風に釈った。普魯西の兵隊などには会うまい。断じて口を
利くまい、触れもしまい、そう云うはらでああして床を離れないのだと思った。 そこ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
頭髪をもった、顔の蒼白い、淑やかな、言葉遣いのゆッたりとした、静かな声をして口を
利く娘で、眼つきと云ったら、それはそれは優しくて、聖母の眼つきにそッくりと申した....
「「ああしんど」」より 著者:池田蕉園
。でも大人しくて、何にも悪い事はあるんじゃありませんけれども、私の祖父は、「口を
利くから、怖くって怖くって、仕方がなかった。」って言っておりましたよ。 祖父は....