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利便
「利便〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利便の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
にはないと思うのです。で、もしこれに手を加えて遺すべきものは遺し、新しく加うべき
利便はこれを加えたなら、将来、見事な日本の一大観光道筋になろうと思います。この仕....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
ころか、それらのものを全く顧みないところの強さをもっておる。それゆえに自分自身の
利便を擲《なげう》って恐れず、時には自己の身命をも棄てて顧みない人の心において初....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
力で経営したものであって、八方正面を眼目とし、遠くは敵の状況を知り、近くは自軍の
利便を摂する、完全無欠の建築であった。石積の高さ六間五尺、但し堀底からは十間五寸....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
機構の整備、中央航空行政機関の新設、官吏制度の改正があり、「また一面、」「民衆の
利便を図らんとす」とある。之もまた今日、日本の国民はいやという程知っている具体的....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も必ずしも自分の目的に外《はず》れるということはなく、かえってそこにはまた何かの
利便をでも見出したかのように、月もよし、闇も更によし、というような気分で、最初の....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
も伝説も同時に全く消滅してしまった。もし明朗という意味がそういう風に平板に人間の
利便だけを標準として軽く浅くなるという意味ならば明朗は安っぽいものだ、そうして斯....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
ここに問題となるは予報の実用的価値を定むべき標準なり。 予報によりて直接間接に
利便を感ずべき人間の精神的物質的状態は時並びに空間とともに変化しつつあり。従って....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
少宣伝的効果を収め得るのみで、実質的には、商店自らもまた顧客一般も、決して左程の
利便、利益を受くるものではない。平素が売出しでなければならぬ。製造能率の全力発揮....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
品に愉快に人世の出発が出来るように独身中にその所得を貯えんがため貯蓄銀行の与える
利便を利用したりする必要もやはりないが、けだし思うに、教区は彼らに衣服を与え、救....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ては差し繰って五日でも六日でも仕事にやって来てくれるという一事に、私たちは最大の
利便と助力とを感じたのであったのだ。 約束は伐り払ったままになっていた椎の木の....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
報告である。 「カリフォルニアの獲得はシナとの通商交通にとって閑却すべからざる
利便を与えた。汽船によればサンフランシスコ湾からシナにいたる航海を定期に二十日間....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
れらの平均以上に達しているのである。かくの如きはこの地が近く大駅を経て、生活上の
利便が多いがために、鉄道開通後ことに多数の来住者を招いたという理由もあるけれども....
「洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
一般に行きわたっていないようであるが、味覚の検討、次第にやかましさを加え、交通の
利便いよいよ適するに従って、必ずや相当のひろがりをもつに至るだろう。 山川のさ....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
手の私から『なぜ?』と訊いて貰いたいらしかった。 文明開化の恩恵として電燈ほど
利便あきらかなものはない。なのに明治天皇のお座所を中心とする諸殿だけは、宮内省や....
「針木峠の林道 」より 著者:木暮理太郎
|長閑に林の中を通行し得るようになったのは、時間と労力とを省く点に於ては、大なる
利便を得たと共に、単に登山という見地からいえば、惜しいことであるともいえる。この....