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利刃
「利刃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利刃の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のあくほど見つめました。見ているうちに、かれの緻密《ちみつ》このうえもなき明知は
利刃のごとくにさえ渡って、犯行のあった土地が徳川宿老のご城下であるという点と、さ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
音がした。揉《も》み上《あげ》の所ではぞきりと動脈が鳴った。顋《あご》のあたりに
利刃《りじん》がひらめく時分にはごりごり、ごりごりと霜柱《しもばしら》を踏みつけ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
た。 あらゆる世の約束を断ち切り、男と男のあいだの問題を解決するには左膳の手に
利刃濡れ燕がある。だがこの恋の迷い、おのが心のきずなだけは――。 このひとに宛....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
です。その一念がようやく増長しつつあるように見受けられる。 この女王様の第一の
利刃《りじん》は軽蔑です。この女王は、ほとんどあらゆる現象に対して、この女王が発....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
あかず見入っている。霜をとかした流水がそのまま凝《こ》ったような、見るだに膚寒い
利刃《りじん》である。刀を持った鉄斎の手がかすかに動くごとに、行燈の映《うつ》ろ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
貼りつき、綿でもつれて、ちっとやそっとのことでは取ろうたってとれない。
どんな
利刃も、即座に蒲団を被《き》て、人を斬るどころか、これじゃあ丸太ン棒よりも始末が....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
った。 がっし! 青い火花が雨に散って、いつのまに鞘《さや》を出たか、帰雁の
利刃《りじん》が押して来る。 ぎ、ぎ、ぎ、と鍔《つば》ぜりあい。 深夜。 ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
たろうが、夫婦の間が暴君と奴隷との関係では互に満足出来るはずがないから、あたかも
利刃を揮って泥土を斬るに等しい何らの手答えのない葛藤を何年か続けた後に、二葉亭は....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のではなかった。とりわけて自分自身の心が彼にはわからなかったのである。彼の心理的
利刃は致命的にも外面的なものであって、彼は自分がどんなに根強く人間的であるかを夢....
「三国志」より 著者:吉川英治
、 「汝、わが年の老いたるを笑うといえども、手の中の刃は、いまだ年をとらぬ。わが
利刃を試みてから広言を吐け」と罵り返し、馬をすすめて張※勢は一度に崩れ、喊の声に....