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利口者
「利口者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利口者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
が別に咎立《とがめだて》もされず此の難い役を辞したとすれば、忠興は中々手際の好い
利口者である。 氏郷が政宗の後の会津を引受けさせられたと同じ様に、織田｜信雄《....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
ずれは後をゆずる腹であった。道三は下の子ほど可愛いのだ。 「喜平次はオレも及ばぬ
利口者」 こう云って崇敬したが、誰もその気になってはくれなかった。しかし道三は....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
さが無い筈はなかろう。女のワガママにはずいぶんと思いやりがあって、案外、歴とした
利口者よりも、オキャンでワガママで酷薄ムザンでセンチで一人ぎめの女の子が可愛いな....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
頭の冴えの非凡なるものも一朝にして曇るのが人間の常でもあるのさ。さすがに世良田は
利口者だから、この三名から肝をぬいて、いかにもそこいらの業病人が生き肝をぬいたよ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
や身寄りがないのかい」 「サ、そのことで。実の子が三人おありなんですが、むろん、
利口者の奥様がジッと御辛抱なさるのも子供のため。少からぬ遺産があるに相違ないとの....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
と奴めハリキッていましたが、今までに比べればいくらか大仕事かは知れませんが、あの
利口者の法本が日野を使う仕事だからタカが知れてるとぼくは軽くふんでいました。 ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
鳴りつけた。 「あら！ よく知っているわねえ。私は、どうせ馬鹿よ。新子ちゃんは、
利口者よ。おほほほほ。」と、さも可笑しそうに笑い出した。 「お姉さんが、もう少し....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
あァんて事になってしまう。そうや怒っているがいい。……だがこいつは勇士の態度だ。
利口者には別の道がある。行儀作法を覚えることよ。お辞儀を上手にすることよ。お太鼓....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
々にまで見せ付けられる。……その又｜妾のお菊というのが、眼の覚めるほど綺麗な上に
利口者の世辞上手。……」 「しかも今から一月ほど前に抱えた妾だと申すことじゃ。閨....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
家一門の人々も感激するほどに尽力した。それに一種の意味を含ませて、さすがに川上は
利口者だと褒めるような嘲けるような批評を下した人が多かったが、天下取りの前祝いを....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
搦を玄関に飾って威儀堂々と構えて軒並の町家を下目に見ていた。世間並のお世辞上手な
利口者なら町内の交際ぐらいは格別｜辛くも思わないはずだが、毎年の元旦に町名主の玄....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
「じゃ、川口とは？」 「川口さんは最初、姉の初子さんに夢中だったんですの。あの方
利口者だから好い加減に待遇って搾っていたんですが、私立探偵の山本さんッていうパト....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
になってしまいました。夫は最初私に妾のある事をひしがくしにしていたものです、私が
利口者か、世間を知っている者かだったら、ひしがくしにしているのをほじくりもしなか....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
いたが、中で古参の記者の一人が物知り顔に乗り出して、 「その公高って少年は非常な
利口者で、稀れにみる美貌の持主だったそうですね、尤もあのお母さんの子だから綺麗な....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
は宮本夫人とお兄様との関係を知らないんでしょうか？」 「知っておりましょう。でも
利口者だから。黙っているんじゃございませんか」 「居所判ってるか知ら？」 「さあ....