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利権
「利権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
。俺れらがここまでやって来て、俺れらは、日本の国のために尽していると考える。国の
利権を守っていると考える。その結果、肥え太ったブルジョアジーは、どんな政策をとっ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ゃないの。」 均平も新聞でその顔を見た覚えはあるが、あの時代の政界を濁していた
利権屋の悲劇の一つである。事件の経緯は知らなかった。 「松の家の方は。」 「父さ....
「惜別」より 著者:太宰治
を各々租借し、次第にまたこれらの諸国は、支那に於いて鉄道、鉱山などに関する多くの
利権を得て、亜米利加も、かねて東洋に進み出る時機をうかがっていたが、遂にその頃、....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
に泥水の底に埋められるにきまっている場所でも繁華な市街が発達して何十万人の集団が
利権の争闘に夢中になる。いつ来るかもわからない津波の心配よりもあすの米びつの心配....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
二郎の所在は一刻も早く突きとめたく、その上で鬼二郎が金山源介を本当に殺害して彼の
利権を横領したものだかどうかを確める意欲に燃えあがっていた。 だが、猫々探偵の....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
せることになっているものだそうで、そこから校長と出版屋と乃至は其の間に介在する小
利権屋との間に金銭上の又饗応上の醜関係が生じたということが、この問題の糸口である....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
絶えず来年度の鉄道延長線の計画を確かな筋から聞き込んだと吹聴しているプラハの土地
利権屋や、コルセットの留金が引き釣ってきっと靴下の上部に筋切れがしてるに相違ない....
「中支生活者」より 著者:豊島与志雄
る。 支那現地の人々がこぞって憤慨しているものに、一攫千金を夢みて渡支して来た
利権屋や商人の多数が第一に数えられる。これは殆んど常識的な事柄にさえなっている。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ぎこむ代りには、シナのことじゃアシナの公使よりも日本にニラミがきくそうだ。シナの
利権は奴の顔を通さないと、どうにもならないということだぜ」 「するてえと、山本て....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
お父上が、この世を辞してからというものは、千|恣百|怠沙汰の限りの態だ。売官売勲
利権漁り、利慾を喰わしては党を作り、威嚇を行っては異党を攻め、自己を非議する識者....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
いかに恐ろしいかを見るがいい! 日本の国土を狙っているのだ。内乱に乗じて侵略し、
利権を得ようと焦心っているではないか。それだけでも内乱を止めなければならない。…....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
主人の一人は洗濯物を女に出す。すると他の四人の主人も洗濯物を出す。機会均等。
利権等分。彼等には独身もののサラリーマンらしい可憐な経済観念があった。 洗濯も....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
感を持つようになる。沼南ばかりじゃない。 沼南は終始一貫清廉を立通した。少くも
利権割取を政治家の余得として一進一退を総て金に換えて怪まない今の政界にあっては沼....
「国境」より 著者:黒島伝治
のごとき人間がぜひ必要なのであった。 深沢は、シベリアを植民地のように思って、
利権を漁って歩いた男だ。 ルーブル紙幣は、サヴエート同盟の法律によって国外持出....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ずして何ぞやと私はいいたいのであります。吉田内閣のもとにおいては、あらゆる問題が
利権の対象となっておるのであります。只見川問題といい、四日市燃料廠問題といい、炭....