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「利殖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

利殖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
かながら親譲りの財産が有る、其の財産は父の遺命で悉く金に替え、倫敦の銀行へ托し、利殖させて有る、其の額が今は一万ポンドの上になり、余に使われるのを待って居るのだ....
食魔」より 著者:岡本かの子
ある床の間があって瀟洒としている。蛍雪はその後、漢和の辞典なぞ作ったものが当り、利殖の才もあってだんだん富裕になった。表通りの店は人に譲り邸宅を芝の愛宕山の見晴....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、その外に何かの手段で金を得なければあれだけの財産は出来ない。尤も財産を作るには利殖の方法もあるし、比えば定期市場に手を出すような方法もあるから、一概には云えな....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ら眠りこんでいる。酒場ではお上さんが、一本のキング・オブ・キングスを清水で七本に利殖しているのだ。埃と、むし暑さ、氷を沢山呑むと、髪の毛が抜けると云うけれど、氷....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
すべきだ。」 ** 「俗物」という観念は、世間的にしばしば趣味の低い人や、金銭の利殖に熱心な人を指している。だがこうした俗解は誤っている。なぜなら、世の中には、....
ひしがれた女性と語る」より 著者:宮本百合子
るとしたら、どうなったでしょう。 収入の幾割かを皆が積立てて、その適当な運用、利殖によって、組合員の老後や病時の安定が保障され得るとしたら、恐く彼女はあれ程生....
九月の或る日」より 著者:宮本百合子
が云わない先から自分の考えのおかしさにふき出し、袂で顔を抑えながら笑い笑い、 「利殖の本も買ふ気になれり」 と下の句をつけた。 「え? 利殖の本も買ふ気になれり....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
年こそ、貰いあつめた黄金を、円き塊《かたまり》にして床《とこ》に安置したような、利殖倹約な京都女にすぎないように見えたが、維新前の国事艱難《こくじかんなん》なお....
技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
て紹介しているが、もっと忠実な歴史家であるアリストテレスは彼を卓越した実業家乃至利殖家として紹介している。ギリシア哲学がバビロン・エジプトの技術学とどんなに密接....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
しろ彼の財産は残りが多くはないはずだ。家族には分らなくとも、取引の銀行には分る。利殖の投資以外のことに五万円ひきだすとすれば大胆すぎることであった。ヤブレカブレ....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
本と土地用役。一七一 人と労働、すなわち人的資本と人的用役。一七二 狭義の資本と利殖、すなわち動産資本と動産用役。一七三 収入。一七四 土地。ほとんど一定量に存....
南国太平記」より 著者:直木三十五
るような――」 「いいや、そうではない。益満の企ても、国許の方々の企ても、調所の利殖しておいた金子があればこそじゃ。斉彬公は強兵よりも、富国の策を、根本の大事と....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
眠りこけている。 酒場ではお上さんが、一本のキング、オヴ、キングを清水で七本に利殖している。埃と、むし暑さ、氷を沢山呑むと、髪の毛が沢山抜けると云って氷を呑ま....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
れて見せることだ。人気が湧《わ》けば金もはいる」 といったとやら。金、金、金……利殖よりほか楽しみのないもののようにいわれた彼女が、女優生活の十年に残しえた三万....
教育の目的」より 著者:新渡戸稲造
千|法《フラン》の金がいる。これだけの金を銀行に預けて置けば、年五朱として何程の利殖になる。けれども都合好く卒業をして、文官試験にでも及第すれば、何程の俸給が取....