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刮
「刮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
る二人《ふたり》を懲戒し、併《あわ》せて汽船会社の責任を問う事とすべし。読者請う
刮目《かつもく》してその時を待て」
葉子は下くちびるをかみしめながらこの記事....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
、「ママちゃん御機嫌《ごきげん》よう」と快活に叫ぶ瞬間ほど、私の心の底までぐざと
刮《えぐ》り通す瞬間はない。私はその時、ぎょっとして無劫《むごう》の世界を眼前に....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
版元は日本橋の文耕堂だ。もう、皆は初号の原稿に忙しい。締切は一月三十日限だ。まあ
刮目《かつもく》して、僕たちの活動ぶりを見てくれ給え。僕たちは本当に黎明が来たと....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
は先祖以来、禄盗人であったということになるではないか」 そういって、大きな目を
刮いて、一座を睨め回した。 「左様、左様!」 「ごもっとも」 「御同感!」 座....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
の。 弱いものいうたら、しみしんしゃくもさしゃらず……毛を※る、腹を抜く、背を
刮く……串刺じゃ、ししびしおじゃ。油で煮る、火炎で焼く、活きながら鱠にも刻むげな....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
らく内心では、黙示図の知れない半葉を喘ぎ求めていたのであろう。そして、空しくこの
刮目された一幕を、終らねばならなかったに違いない。ところが、不思議なことには、勝....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
へ駈け寄りました。が、両手を後手に縛られた義兄は、姉と同じように絞殺されたと見え
刮いた眼に死際の苦悶を見せながら、もう全身は冷たくなりかけて居ました。私は、その....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
通って、坂を上って、車は次第に速力を出した。荷車が驚いて道側の草中に避ける。鶏が
刮々叫んで忙てゝ遁げる。小児の肩を捉え、女が眼を円くして見送る。囂々、機関が鳴る....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
「先生のママさんが、ご病気なの?」と、腺病質で、勘のいい祥子までが、大きい眼を
刮って、愛らしく新子に訊いた。 新子は、危うく涙になりそうな微笑で、首を振り、....
「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
学小説が一段と栄えてしかるべきであったと思う。渡洋爆撃への驚嘆、快速戦車部隊への
刮目、敵の空襲や迫撃砲や機関銃に対する悲憤、それからまた軍需品製造への緊張、科学....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
に猛き大馬も其の場へバッタリと横仆しになる上へ乗し懸り、力に任せてギューと無闇に
刮りましたから、馬は其の儘悲しい声をあげて息は絶えました。其の中にわい/\と人声....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
埋め合せをしなければならないし、それから検察官、あなたにはこの事件の一切は、最も
刮目すべき職業上の研究問題として現われるでしょう。それでまず第一にあなたにヒルト....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
といえども一たび児童の興味を喚起し自学自修の習慣にして養成せらるれば終極の進歩は
刮目に値すべし。 国語辞書に次ぎて必要なるは少年用百科辞典の編纂なり。従来、中....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
れた。陳列換えは前総長時代からの予ての計画で、鴎外の発案ではなかったともいうし、
刮目すべきほどの入換えでもなかったが、左に右く鴎外が就任すると即時に断行された。....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
革命にも遭逢し、労農政府の明暗両方面をも目睹したなら、その露国観は必ず一転回して
刮目すべきものがあったであろう。舞台の正面を切る役者になるならぬは問題でなくして....