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到る
「到る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
到るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
を一瞥《いちべつ》した。
「僕はボヘミヤンだ。君のようなエピキュリアンじゃない。
到る処の珈琲店《カッフェ》、酒場《バア》、ないしは下《くだ》って縄暖簾《なわのれ....
「白」より 著者:芥川竜之介
ました。――はっきりと、鏡のように。白の姿を映すものはあの客待の自動車のように、
到るところにある訣《わけ》なのです。もしあれを見たとすれば、どんなに白は恐れるで....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いったことだが、単に専門家になったことだけでは満足が出来なくなる。一体人は自分の
到る処に自分の主でなければならぬ。然るに専門家となるということは、自分を人間生活....
「海異記」より 著者:泉鏡花
父は沖なる暗夜の船に、雨と、波と、風と、艪と、雲と、魚と渦巻く活計。 津々浦々
到る処、同じ漁師の世渡りしながら、南は暖に、北は寒く、一条路にも蔭日向で、房州も....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
だ。」 と言った。 「六十余州、罷通るものじゃ。」 「何と申す、何人……」 「
到る処の悪左衛門、」 と扇子を構えて、 「唯今、秋谷に罷在る、すなわち秋谷悪左....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
で、衝と水が迸る。 鰒は多し、また壮に膳に上す国で、魚市は言うにも及ばず、市内
到る処の魚屋の店に、春となると、この怪い魚を鬻がない処はない。 が、おかしな売....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、立花さん……立花さん……」 正にこの声、確にその人、我が年紀十四の時から今に
到るまで一日も忘れたことのない年紀上の女に初恋の、その人やがて都の華族に嫁して以....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
すがに日本国は神国と申されるだけ、外国とは異って、それぞれ名の附いた、尊い神社が
到る所に見出されます。それ等の御本体を査べて見ますると、二た通りあるように存じま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
われ等の述ぶる所が時期尚早で、採用を憚るというなら、しばらく之を打ちすてて時期の
到るを待つがよい。必ずやわれ等の教訓が、人類の間に全面的承認を受くる時代が早晩到....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
寛自身である。彼は作家生涯を始めた時、イゴイズムの作家と云う貼り札を受けた。彼が
到る所にイゴイズムを見たのは、勿論このリアリズムに裏書きを与えるものであろう。が....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
人のリボーにも手紙を出した。そのうちには、政治上のごたごたの事や、デビーの名声は
到るところ素晴らしいため、自由に旅行できることも書いてある。またパリが同盟軍に占....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
の中で一つ一つの小天地をつくっている。しかし、試みに旅に出てみよ。雑多な民族が、
到る処にうごめいているのを見よ。しからば人は、人間のごときものは、もはや、とるに....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
あったから、心機立ちどころに一転することが出来た。今日といえども想うて当時の事に
到るごとに、心|自ら寒からざるを得ない。 迷信譚はこれで止めて、処女作に移ろう....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
夏吉は、炬燵に居直って言うのである。 「湖、沼、池の多い土地ですから、菖蒲杜若が
到る処に咲いています。――今この襖へでも、障子へでも、二条ばかり水の形を曳いて、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
もって政治的統一の限度とする。すなわち将来主権者の所有する武力が必要に際し全世界
到るところにある反抗を迅速に潰滅し得るに至った時、世界は初めて政治的に統一するも....