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到来
「到来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
到来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
な、気強さを感ぜずにはいられなかった。
甚太夫は喜三郎の話を聞きながら、天運の
到来を祝すと共に、今まで兵衛の寺詣《てらもう》でに気づかなかった事を口惜《くちお....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
はと見ると、床の前を右へ外《はず》して、菓子折、サイダア、砂糖袋、玉子の折などの
到来物が、ずらりと並んでいる箪笥《たんす》の下に、大柄な、切髪の、鼻が低い、口の....
「或る女」より 著者:有島武郎
しておやりになればよござんすわ」
岡は自分に親しい人を親しい人に近づける機会が
到来したのを誇り喜ぶ様子を見せて、いそいそと駆けて行った。その後ろ姿を見ると葉子....
「或る女」より 著者:有島武郎
い柄《え》のパラソルとが置いてあった。薬びんの乗せてある丸盆が、出入りの商人から
到来のもので、縁《ふち》の所に剥《は》げた所ができて、表には赤い短冊《たんざく》....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
る熱意が病熱よりも高く私の胸の中で燃えているのみだった。
正月早々悲劇の絶頂が
到来した。お前たちの母上は自分の病気の真相を明《あ》かされねばならぬ羽目になった....
「星座」より 著者:有島武郎
んが眼を挙げて自分を見たのだと思いながらなお読みつづけた)とかくは時勢転換の時節
到来と存じ候男女を問わず青年輩の惰眠《だみん》を貪《むさぼ》り雌伏《しふく》しお....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
及ぼすことになる。換言すれば、諸天体間での温度の平均を妨げ、そうして『熱的死』の
到来を防御するという作用をするのである(『宇宙の成立』一七四―一九〇頁参照)。な....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
らい土蔵を開けて出来るんでござります。金主がつけば竜に翼だ、小主公、そろそろ時節
到来でござりましょうよ。」と慶造が勇むに引代え、若山は打悄れて、ありしその人とは....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
附せられたものは、未発表の部分の単なる標本として之を取扱い、他日全部公開の機会の
到来を待つより外に途がない。 『私自身の観念が、果してこの通信に加味されているか....
「不周山」より 著者:井上紅梅
切れ途切れにいうのであった。「助けたまえ……身どもは仙術を学ぶものである。懐劫が
到来して、天地が分崩するとは、誰が予期したろうか。……今|幸にして、天に在ます神....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の天候気温、出入客来、他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物、
到来品、買物、近親交友間の消息、来客の用談世間咄、出入商人職人等の近事、奉公人の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
も、雄大の点においては三舎を避くる勢いなり。 那渓一路漸崔嵬、仰見半空残雪堆、登
到来。 (那の谷ぞいの一路はしだいに岩石の険しさを増し、仰ぎみれば空のなかばには....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
悪い程可笑しい、異様な、頭から足まで包まれた物である。 フレンチは最後の刹那の
到来したことを悟った。今こそ全く不可能な、有りそうにない、嫌な、恐ろしい事が出来....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ドイツの作戦はまるで神業のようで持久戦争の時代は過ぎ去り、再び決戦戦争の時代
到来せるやを信ぜしめる。しかしそれについては充分慎重な観察が必要である。 先ず....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
が嫌いであって、度々私が頂戴したことがある。 「老板またアメリカのチョコレートが
到来したから一つ片づけて下さい」 という御挨拶であってそして日本製や時々はロシヤ....