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「制動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

制動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
は、鉄板で囲った小屋が載っていて、その中には、このクレーンを動かすモートルと其の制動機とが据えてあった。制動機を動かすと、この鉄橋は、あたかも川の中で箸を横に流....
蠅男」より 著者:海野十三
転げ落ちていった。そして遂に下まで届くと、くしゃと潰れてしまった。帆村は辛うじて制動をかけて、三輪車を道の真中に停めた。 「うわーッ、えらいこっちゃ」 「うむ、....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
節を動かす細い真鍮棒が後光のような放射線を作っていて、その間に、弾条を巻く突起と制動機とが見えた。続いて熊城は、人形の全身を嗅ぎ廻ったり、拡大鏡で指紋や指型を探....
単独行」より 著者:加藤文太郎
の小屋から森林帯に入るまでスキーはとてもよく飛ぶ。ターンができないので、すぐ顔面制動をやる。森林帯に入ってからは傾斜が少し急になるので飛ばせない。小屋に帰った頃....
蓄音機」より 著者:寺田寅彦
って、文学士は吹き込みラッパをその美髯の間に見える紅いくちびるに押し当てて器械の制動機をゆるめた。そうして驚くような大きな声で「ターカイヤーマーカーラアヽ」と歌....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
す。そのあとにきっと孔があく。忍術と孔とは何かよほど深い関係があるらしい。小林は制動法の名手である。必ず馬にまたがるごとく落着きはらって滑走する。あれでせきばら....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
端に、擦違うように先方のが入った。 「危え、畜生!」 喚くと同時に、辰さんは、制動機を掛けた。が、ぱらぱらと落ちかかる巌膚の清水より、私たちは冷汗になった。乗....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
――その条件は後を見よ――その本質に含まれていた可能性を通して、却ってこの運動の制動機ともなることが出来る。でジャーナリズムの欠陥はアカデミズムの長所に、アカデ....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
――両者は、本源的な歴史的社会的存在の発展形式から来る必然的な二つの動力と二つの制動機とを意味する。蓋し存在はその自己発展によってその発展の促進者と共に却ってそ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
上の甚だしい逸脱や観念論化のブレーキとなっているとはいい乍ら、このブレーキも段々制動力が無くなりそうである。川内唯彦氏や船山信一氏を初め、有能な学徒が理論活動か....
ばかな汽車」より 著者:豊島与志雄
。いくたりの人が死《し》ぬかわかりません。私はとっさに、汽笛《きてき》をならし、制動機《せいどうき》に手をかけて、汽車を止《と》めようとしました。火夫《かふ》た....
沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
うな具合に、ぶらぶらやって来ているのだろう。エンジンが参ったり、その為めに応急舵制動機《ジュリイ・ラダア》でも掛けていたりすると、虫が這うように暇のかかるものだ....
くまと車掌」より 著者:木内高音
をつとめることになったわたしは、列車の一ばん後の貨車についた三|尺ばかりしかない制動室に乗りこんだ。制動室というのはブレーキがあるからそういうので、車掌室のこと....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
と申しますが、わたくしのこの恋心も、たとえばどのように上手《じょうず》な運転手が制動機《フェレン》を掛けたとて、きっと停《と》めることはできないと思うのでござい....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
「菩提心」です。 自動車が走っているとき曲り道の急|角度に出会うと運転手は急に制動機をかけます。あの強い反動と、歯止めの軋る音は、今まで快速力を楽しんでいた乗....