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制札
「制札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
制札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れこれもう真夜中近い刻限でした。もとより、門はもう堅く閉まって、わきには名代のお
制札がある。 定 一 この関所通行のやからは、笠《かさ》、頭巾《ずきん》....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
であるのか、門は元よりぴたりと一文字に堅く締め切って、そこには次のごとき威嚇顔の
制札が見えました。 下乗《ゲジョウ》之事 禁中ヨリノ御使イ、並ビニ江戸 ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。岸のところどころに芒が生えている。近づいて見ると「この草取るべからず」という
制札を立ててあって、後の月見の材料にと貯えて置くものと察せられた。宿に帰って朝飯....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の両国橋へさしかかったとき、察しの通り、やはり刺客が伏せてあったのです。橋袂のお
制札場の横から、ちらりと黒い影が動いたかとみるまに、銃さきらしい短い棒がじりッと....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
「いや、」とまた取り調べ役は言葉をつづけた。「御同役の前でござるが、あの御征討の
制札にしてからが、自分には腑に落ちない。今になって、拙者はつくづくそう思う。もし....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
いわゆる時代の推移であろう。二十年前だったら、設計も立て札も当然自明的であって、
制札を無視するのが没公徳的で悪いのであった。 自分の郷里では、今は知らず二十年....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に濠端を急いで行くと往来止め。 「ちぇッ」 行き詰って、むしろ、この往来止めの
制札を打砕いて、掘りっぱなしの溝《どぶ》の中を泳いで、溝鼠《どぶねずみ》のように....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
していることは誰しも知っているし、封建制時代には封建的なジャーナリズム(例えば、
制札、落書、までも入れて)が、古代社会には古代的ジャーナリズムが(ローマの官報)....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきもの也。地主。 と記した
制札が見えよう。それからは家続きで、ちょうどお町の、あの家の背後に当る、が、その....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「はい、有難うございます、ではお言葉に従いまして」 と言って、弥兵衛は、これは
制札ではない杖を置き、砂の上へ鎧櫃《よろいびつ》をどさり落した途端に、腰が砕けて....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ことは、クリストフが、あらゆる生籬《いけがき》や柵《さく》や塀や壁や通行止や罰金
制札や各種の禁示《フェルボート》など――すべて彼の自由を制限せんとし、彼の自由に....
「青春論」より 著者:坂口安吾
句の言いようもない。どこにも区切りがないのだ。ここにて下駄をぬぐべしと云うような
制札がまったくどこにもないのである。 七十になっても、なお青春であるかも知れぬ....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
た。岸のところどころに芒が生えている。近づいて見ると「この草取るべからず」という
制札を立ててあって、後の月見の材料にと貯えて置くものと察せられた。宿に帰って朝飯....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
た高野山では、今でも山内諸院の門に、往々「汚穢不浄の輩入るべからず」という禁止の
制札をさえ見る程である。比叡山では、昔は山の登り口に、女人禁制、三病者禁制、細工....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
を持っている私は、一日も早くあすこから『この土手に登るべからず』という時代遅れの
制札が取除かれ、自由に愉快に逍遙漫歩を楽しみ得るの日の来らんことを鶴首している次....