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「刹那〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刹那の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
がら、ころげるようにして茶の間の方へ逃げて行った。 馬琴の心に、厳粛な何物かが刹那《せつな》にひらめいたのは、この時である。彼の唇には幸福な微笑が浮んだ。それ....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
ともつかない響が騒然と煮えくり返るのをぼんやり聞いて居りました。が、それはほんの刹那《せつな》の間《あいだ》で、やがて向うの庇《ひさし》の下に動いているものを見....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
姫様に年久しく御仕え申している、平太夫《へいだゆう》に相違はございません。この一刹那はさすがの若殿様も、思わず総身《そうみ》の毛がよだつような、恐ろしい思いをな....
」より 著者:芥川竜之介
家の裏門の前へ出るほかには、どこへも通じていない筈である。して見れば、――と思う刹那《せつな》に陳の耳には、その裏門の戸の開く音が、折から流れて来た潮風と一しょ....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
かうように横槍《よこやり》を入れましたが、そのからかうような彼の言《ことば》が、刹那の間《あいだ》私の耳に面白くない響を伝えたのは、果して私の気のせいばかりだっ....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
桜が、何故《なぜ》か彼を不安にする、日本そのもののように見えたのだった。が、彼は刹那《せつな》の後《のち》、それが不思議でも何でもない、ただの桜だった事を発見す....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
眼の前に思い出した。私のもくろみが、ふと胸に浮んだのも、恐らくその顔を思い出した刹那《せつな》の事であったろう。何故と云えば、その時に私はもう死ぬ覚悟をきめてい....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
そうに何か呟《つぶや》いた声は、意外にも牧野に違いなかった。のみならずお蓮はその刹那《せつな》に、実際酒臭い牧野の頸《くび》へ、しっかり両手をからんでいる彼女自....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
でいる。二人は顔を見合せたなり、何ごともなしに行き違おうとした。 ちょうどその刹那《せつな》だった。彼は突然お嬢さんの目に何か動揺に似たものを感じた。同時にま....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
がった。母は眼をつぶったなり、二吸《ふたすい》ほど管《くだ》の薬を飲んだ。それが刹那の間ながら、慎太郎の心を明くした。 「好《い》い塩梅《あんばい》ですね。」 ....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
すさりながら、抜き打ちに相手を払いました。数馬の脾腹《ひばら》を斬られたのはこの刹那《せつな》だったと思いまする。相手は何か申しました。………」 「何かとは?」....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を逞しい肩に支えようとした。しかし岩が相手の肩から全く彼の肩へ移った時、彼の体は刹那《せつな》の間《あいだ》、大風《おおかぜ》の中の旗竿のごとく揺れ動いたように....
忠義」より 著者:芥川竜之介
所があろう。――彼の心の明るくなったのは、無意識ながら、全く彼がこう云う論理を、刹那《せつな》の間に認めたからである。 そこで、彼は、妻子家来を引き具して、白....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
」――クリストの眼を見ると共に、彼はこう云う語《ことば》が、熱風よりもはげしく、刹那に彼の心へ焼けつくような気もちがした。クリストが、実際こう云ったかどうか、そ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。 さて針金に取り出すその術は、 ファラデーが手本にしたのは愛情で、 二人が逢う刹那と別るる刹那、 飛出す火花は電気じゃないか。 ファラデーはローヤル・ソサイ....