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「刹那的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刹那的の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自分だけの世界」より 著者:辻潤
いうようなものから、ハッキリ区別して、各個人の内に時々刻々動いている「血肉のこの刹那的自我」だというように断っているところを見ると、それは一定不変なものではなく....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
重に見えるのであった。彼は、ズッと遠い以前からの歴史も、また、たった今何か考えた刹那的《せつなてき》な考えも、二度目であるように思った。その一度は、どこで経験し....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
くものはないのである。軍義的分子と官僚とを引き具する所の日本型大ブルジョアジーの刹那的な安心の表現こそ、日本特有の「宗教復興」の本質をなす。――無論、大ブルジョ....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
無意識的にせよ懐いているのであって、印象とは、そうした多くの無意識的な世界観の、刹那的な断面なのである。印象は大抵単純で端的な好悪・快不快というような抽象的な規....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
別な条件がつきものである。つまりその効果は色々の程度の差こそあれ、概して印象的で刹那的だという条件だ。この点から見れば、ジャーナリズムの宣伝力・影響力・教化力・....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
s ―― The Silver Wing ! OH! Glory ! 何という刹那的な煽情! 刺激・陶酔・優超感・魘されるこころ――このGRRRRと、そしてB....
新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
近代女性の恋愛はどうかね。今の青年は恋は出来ないと云っていて而も恋はするけどごく刹那的恋を追って行くという傾向だろう。だから女の方の傾向もそうじゃないかね。男の....
再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
乃至歴史理論に連関すべき事物の認識、に於てしか発動しない。例えば文学主義に於ては刹那的・印象的・放言というようなものとなる処を、文献学主義に於ては歴史的コジつけ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
妻がなければ人間の種を継続することは出来ない、ということなのであるから、吾々は、刹那的な快楽よりは永続的な安固を尊重すべきである1)。』と。 1) Aulu....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
巻のとんで長しや橋の上 あふひ の如き夕立の激しさ、風のつよさをも説明ぬきの刹那的写生で活かしている。 かるた札おどりおちけりはしご段 和香女 の如きも....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
としては、その作り出したものが永久の生命をもつものでありません。ここに若干また、刹那的満足を追う傾向が生れます。 そこで、私はここで皆さんにこう云って置きたい....
俳句に於ける象徴的表現」より 著者:種田山頭火
bol)が符号(sign)と同じ意味であった時代は既に過ぎて了った。象徴は生命の刹那的燃焼の表現を外にして自己を全力的に表現し得ないのである。かるが故に象徴的表....
波の如く去来す」より 著者:小川未明
も、月日が経てば忘れ得る。総ては時の裁断に待つのみだ。たゞ人間の理想も幸福もみな刹那的なもので、軈て最後は絶滅すると云う、永久に変ることのない、亡びるものゝ悩み....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
吹きまくる烈風は砂塵を上げ、職業戦線は狂わんばかりの競争が行われ、鬱屈する気分は刹那的、末梢的の快楽を追い、外国より直輸入された一過性の思想は昨今殊に目まぐるし....