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刺戟
「刺戟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刺戟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
鮮明で単純だとは、到底自信する勇気がないからである。
最後に自分は、常に自分を
刺戟《しげき》し鼓舞してくれる「新思潮」の同人に対して、改めて感謝の意を表したい....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
も膝のあたりにはちゃんと扇面を控えていた。ただ、咄嗟《とっさ》の際にも私の神経を
刺戟したのは、彼の左の手の指が一本欠けている事だった。私はふとそれに気がつくと、....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
いと、云われた後《あと》では、のみなれた煙草の煙までがいつもより、一層快く、舌を
刺戟《しげき》するような気さえ、したのである。
二
斉広《....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
金切声の中に潜んでいる幾百万の悲惨な人間の声は、当時の自分たちの鼓膜《こまく》を
刺戟すべく、余りに深刻なものであった。だからその時間中、倦怠《けんたい》に倦怠を....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かに思い浮べることがある。それは従来の経験によると、たいてい嗅覚《きゅうかく》の
刺戟から聯想《れんそう》を生ずる結果らしい。そのまた嗅覚の
刺戟なるものも都会に住....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
もなく動き、流るるともなく流れる大川の水の色は、静寂な書斎の空気が休みなく与える
刺戟《しげき》と緊張とに、せつないほどあわただしく、動いている自分の心をも、ちょ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
だけのものだった。けれども俊助は幸《さいわい》と、清水昌一のシュウマンほど悪甘い
刺戟に脅《おびや》かされないで、ともかくも快よくチャイコウスキイの神秘な世界に安....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
まるで高天原《たかまがはら》の八衢《やちまた》のように、今では寸分《すんぶん》の
刺戟《しげき》さえない、平凡な往来に過ぎないのであった。
夕暮が近くなった時、....
「少年」より 著者:芥川竜之介
も当時愛したのはそれほど品《ひん》の好《い》い色彩ではない。むしろ悪《あく》どい
刺戟《しげき》に富んだ、生《なま》なましい色彩ばかりである。彼はその晩も膳の前に....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
れてしまう。それがだんだん嵩《こう》じて来ると、今度は極《ごく》些細《ささい》な
刺戟からも、絶えず神経を虐《さいな》まれるような姿になった。
第一、莨盆《たば....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
るようだが、畢竟は遅く走っているのだ。何故といえば、お前が私を出し抜いて、外部の
刺戟ばかりに身を任せて走り出して、何処かに行き着くことが出来たとしても、その時お....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
かかる場合に、ほくそ笑むのは、低級未発達の悪霊どもである。かの投機的慾望によりて
刺戟されたる無数の民衆こそは、同じ慾望に燃えている下級霊にとりて、正に誂向きの好....
「墓」より 著者:秋田滋
身の毛のよだつような行為を傍聴人の念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を
刺戟した。忿怒の身顫いが傍聴人たちの間をつたわって行った。論告を了って検事が着席....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
くのだが、この妖怪が出そうな時刻には、自然界のもの音はみな、彼の興奮した想像力を
刺戟した。丘の斜面から聞えてくるウィッパーウィル(原註)の鳴く声。雨蛙の不吉な声....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
る。それは、自由な、何よりすぐれた、自分の心を思うままにすることが出来る、上品な
刺戟を求めている人にあっては、どんなにかふさわしい、どんなにか好い、どんなにか珍....