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剃
「剃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
僕等四人はその翌日、容易に手代を縛り上げた。それから伍長は僕等の代理に、僕の
剃刀《かみそり》を受け取るなり、無造作《むぞうさ》に彼の鼻を削《そ》ぎ落した。手....
「春」より 著者:芥川竜之介
一瞬間に彼の段鼻《だんばな》だの、金歯《きんば》だの、左の揉《も》み上《あ》げの
剃刀傷《かみそりきず》だの、ズボンの膝《ひざ》のたるんでいることだの、――そのほ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
》は牧野《まきの》の酌《しゃく》をしながら、彼の右の頬へ眼をやった。そこには青い
剃痕《そりあと》の中に、大きな蚯蚓脹《みみずばれ》が出来ていた。
「これか？ こ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
を拝領に出る奴がどこにある。」
「だが、そいつは少し恐れだて。」
了哲はきれいに
剃《そ》った頭を一つたたいて恐縮したような身ぶりをした。
「手前が貰わざ、己《お....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
こんな記事が、四角な字ばかりで物々しく掲《かか》げてあった。
――街《がい》の
剃頭店《ていとうてん》主人、何小二《かしょうじ》なる者は、日清戦争に出征して、屡....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
った。
「どうです、これは。」
相手は無頓着《むとんちゃく》にこう云いながら、
剃刀《かみそり》を当てたばかりの顋《あご》で、沼地の画をさし示した。流行の茶の背....
「路上」より 著者:芥川竜之介
さな金時計を出して見た。すると大井《おおい》は内懐《うちぶところ》から手を出して
剃痕《そりあと》の青い顋《あご》を撫《な》で廻しながら、じろりとその時計を見て、....
「或る女」より 著者:有島武郎
みた。例のようにどこの玄関番かと思われる風体《ふうてい》をして、髪を刈る時のほか
剃《す》らない顎《あご》ひげを一二｜分《ぶ》ほども延ばして、頑丈《がんじょう》な....
「弓町より」より 著者:石川啄木
ことができたなら……というようなことを考えて、あの森川町の下宿屋の一室で、友人の
剃刀《かみそり》を持ってきて夜半ひそかに幾度となく胸にあててみた……ような日が二....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のその眉が似ていると思ったから。―― もっとも河野は、綺麗に細眉にしていたが、
剃りづけませぬよう、と父様の命令で、近頃太くしているので、毛虫ではない、臥蚕であ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
かれるために後部甲板のハッチを登って行った。すると十二｜吋の砲塔の前に綺麗に顔を
剃った甲板士官が一人両手を後ろに組んだまま、ぶらぶら甲板を歩いていた。そのまた前....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
末の床店が、指の尖で、密とクリームを扱いて掌で広げて息で伸ばして、ちょんぼりと髯
剃あとへ塗る手際などとは格別の沙汰で、しかもその場末より高くない。 お職人が念....
「橋」より 著者:池谷信三郎
、そりゃ皮肉なのよ、その人は。いつだったかいっしょに芝居へ行こうと思ったら、髭も
剃っていないの。そう言ってやったら、すました顔をして、いや一遍
剃ったんですが、あ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
来ない単調なこれらの出来事と手を切ってしまいたいと私に思わせた。 私は毎日顔を
剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた。頬にシ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
不機嫌な返事をして、神経の興奮を隠そうとしている。さて黒の上衣を着る。髯を綺麗に
剃った顋の所の人と違っている顔が殊更に引き立って見える。食堂へ出て来る。 奥さ....